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カルロス・ゴーン氏 |
リーダーとなった人たちは、必ずしもリーダーとして生まれて来たわけではありません。リーダーは育てられるものだと思います。教育やトレーニングや、経験や体験に基づくものだと思います。
自分から、学び、そうなっていった人たちだと思います。人生のある時点で、リーダーシップというものに目覚め、初めて、そこに向かって行くというものではないでしょうか。
リーダーシップの中には、ルーティン化されたものももちろんあります。でもこれはあまり重要ではありません。それをわたしは、ルーティンリーダーシップと呼んでいます。しかし、危機に直面したときに展望を持ち能力を発揮するリーダー、これがもう一つのリーダーシップです。
たとえばみなさんも飛行機に乗ることがあるでしょう。そして機長が誰か、ということをみなさんは気にも留めていないと思います。フライトが順調なときには機長が誰であろうが機長が何を言おうが、みなさんは気にも留めないでしょう。しかし飛行機がガタガタと揺れたりしたらみなさんは機長の言葉を聞こうとするでしょう。その時突然、機長の重要性が認識されるわけです。
日常の管理業務を遂行するリーダーシップがありますが、その時はあまり問題にならない。しかしいったん、問題が起きたときには、リーダーの意味合いが変わってきます。誰がリーダーになるのか、誰がリーダーシップを取るのかということについての意識も変わってくるでしょう。
わたしたちの会社の中では若い人たち、やる気のある人たち、そして能力を発揮している人たちに着目しています。その人たちを、どうリーダーに育てていくかということを考えると、必ずしも本社勤務にするということではなく、彼らを最前線へ送り込みます。つまり、最もたいへんなところにあえて有能な人材を送り出すのです。そこで生き残れない人も、生き残る人もいます。
危機に対してどう向かい合えるかということが、わたしは一つの重要なリーダーシップだと思っています。
どんどん前に進みたいとか、リーダーに向いている性格的な資質というものはあるかもしれません。
しかし、そこに積み上げていくものは、後天的に自らが修得していくものなのです。
- 出典:
- 国際女性ビジネス会議
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