
カルロス・ゴーン氏 |
成長や変革の計画を立てるときに大切なことは、進歩の測定を可能にしておくことです。
わたしたちも、すべてのプランを、各部門ごと、各チームごとに明確に、かつ細分化した行動プランにして、全社員に報告しました。つまり改革プランがスタートした時点で、社員全員が、どのように、どれくらい自分がプランの進歩に貢献するということがわかっていたのです。
わたしたちはこれを月ごとに全部測定していきました。そして、数字を、各々の目的に応じた、一つの指針という形で出していきました。そしてさらに、それらの進み具合に対して、さまざまなアクションをとったり、ディスカッションをしたりということを継続的にしていきました。業績に応じて給与も評価していきました。これは、高いモチベーションを維持する上で、非常に有効であると考えています。性別、年齢、出身地を問わず、能力と業績を重視して決める、ということです。
多くの人にとって、変革というのは非常に難しい課題です。今までのやり方、ルーティンから離れたくない、慣れ親しんだ環境から離れたくないというのが常でしょう。しかし、今までと同じことをやっていくという選択肢はわたしたちにはありませんでした。日産が生き返るためには、迅速に効果的に変革をしなければなりませんでした。
ですから、わたしたちは社員に対して、視野を広げる、考え方を切り替える、そして危機意識を持って変化に臨むということを求めたわけです。
しかも、結果を出すということで、変化に臨みました。変革のための変革ではありません。結果を生むための変革です。結果がでたかどうかこそが、変革が効果的に推移したかということの一つの指針になるわけです。
「わたしたちは変化してきた」と今はっきり言いきることができます。
- 出典:
- 国際女性ビジネス会議