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- 中井
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今日初めてお目にかかるんですけど、石川さんは石川雅仁さんとおっしゃって、肩書きがなんと「ニュートリショナル・アナリスト」。実はわたし、カタカナの新しい職業名を見ると、とっさにうさん臭いって思っちゃうんですよ(笑)。何なんですか? ニュートリショナル・アナリストって。
- 石川
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アメリカでは割とよく使われているんですけど、日本ではまだなじみがないので、あえて付けたんです。ニュートリションという言葉は、栄養とか栄養学という意味で、それにアナリストというのをつなげました。
- 中井
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ということは、医学方面の職業なのかなと思うんですけど、実際は何学士でいらっしゃるんでしたっけ?
- 石川
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わたしは「化学」が専門なんです。それも、もともとは毒物・劇物の専門です。と言うと、みなさんちょっと怖がるんですけど、毒性のあるものが人体に与える影響などを研究する学問です。毒物・劇物に関する国家資格というのがあって、もちろんそれは持っているんですが、医師とか栄養士というような特別な名前は付いてませんね。総称して「化学者」とか、「毒物・劇物のスペシャリスト」と言うんでしょうかね。
- 中井
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一般にそういう方はどんなことをされているんですか?
- 石川
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工業から食品、化粧品、医薬など幅広い分野に身を置いていますね。わたしも最初に就職したのはIHIプランテックという会社で、石油コンビナートの腐食を扱う部署にいました。
- 中井
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その石川さんが、どうしてニュートリションのほうへ進まれることになったんですか?
- 石川
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自分のカラダの調子が悪くなりましてね。
- 中井
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それは重要なことですよね。
- 石川
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そうなんです。自分自身が悪くならないと、人間なかなか本気になりませんからね。
- 中井
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おいくつぐらいの時ですか?
- 石川
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就職して2年目なんで25歳ぐらいですかね。
- 中井
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そんなお若いときに、重い病気をわずらわれたんですか?
- 石川
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腎臓の病気になったんです。まだ若かったのでびっくりしました。わたしは静岡の生まれで、大学時代から東京に出てきたんですけど、そのころからめちゃくちゃな生活をしていまして、それが影響したんでしょうね。一生付き合わなければいけない病気になって、初めてこれはまずいなと思いました。で、やはり化学者なので原因をすぐに探りたがるんですよ。どうして病気になったんだろうと。
- 中井
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どこから取りかかったんですか?
- 石川
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まず病院に行きましたね。7つの病院をまわって診てもらい、1カ所を除いて6カ所は同じ診断だったんで、これは間違いない、どうしたらいいのだろうと考えました。手術して治る病気ではなかったし、もっと悪くなれば人工透析というような状態。手の施しようがなかった。
それでまず、病気になった原因を考えたんです。もともと遺伝的なものはなかったんで、やはり食事や生活サイクル。特に食事ですね。そこで栄養のプロに聞くことにしました。当時、栄養学のプロフェッショナルはアメリカにしか居ないという認識があったんで、渡米してアメリカの先生の元で栄養学、食事療法をやることに決めたんです。日本の病院で治療するのはやめて、アメリカで栄養療法を受けた。それが、ニュートリションとの出会いでした。
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