ホーム > クルマ@ > 活躍する女性たち> 星野朝子氏


わたしが「やった!」と思う瞬間は、リサーチの結果を見て「このクルマはこうすれば売れる」とひらめいたときです。長年の経験と消費者のデータの読み方について絶対的な自信があるので、「こうすれば売れる」と確信するわけですよ。ただ、わたしはそれを実行する部隊にいるわけではありません。戦略を考える人たちに自分のアイデアを言うこともありますが、自分の思いついたことが実現されているかどうかは気にしないことにしています。
本来、ちゃんと練りこまれた戦略仮説があって、ちゃんとしたリサーチが設計されてさえいれば、そしてそのリサーチの結果の解釈を共有することができれば、そこからは誰からも同じ戦略が生まれるはずだとわたしは思っています。ある程度マーケティング能力のある人が、リサーチ結果を客観的に解釈できれば、そこから生まれてくるストラテジーは同じベクトルを持つはずだと。
私の部署の各リサーチの担当者が「こういうプレゼンをしたいと思います」と言ってきたら、わたしは彼らに対して、その時点で思いついたソリューションを言うようにしています。ただ、部としてはソリューションを提案する立場ではないし、それを言い始めたらリサーチの客観性が失われてしまいます。だから、彼らはわたしのソリューションを頭に置きつつも、部外に対しては最後まで公表しません。リサーチ部門は、どこのセクションからも独立して、データに対して常に客観的でいられることが重要です。リサーチセクションが戦略を提案し始めたら、100%お客様の声に客観的に耳を傾ける人間が社内からいなくなります。
|
 |
市場情報室長(VP)星野朝子氏
活躍する女性たち へ
 |