(しろりむ・三重・パートナー無・36歳)
以前、松本侑子さんが『赤毛のアン』の翻訳について某雑誌に連載していたのを毎月楽しみに読んでいました。翻訳関係の雑誌で、『赤毛のアン』の原文を数行引いて、その原文がいかに豊かな世界につながっているか、聖書やシェイクスピアやマザーグース、今ではほとんど忘れられているような英詩まで引用しながら、まさに縦横無尽に語られていました。それまで『赤毛のアン』といえばテレビアニメのイメージしかなかったのですが、その連載を読んでアンがいかに豊かな文学的土壌から生まれた作品なのかに目を見張りました。
その後、日々の生活にまぎれて読む機を逸したまま年月がたってしましました。ところが最近、友人が赤毛のアンの大ファンだと判明。彼女もまた『赤毛のアン』が子どもだけでなく大人も読むに価するすばらしい文学作品であることを熱く語ってくれました。プリンスエドワード島にも行ったことがあり、アンの風景の話を聞きました。わたしはアンに2度もめぐり合ったわけです。「これはなにがあっても読まなくては!」との思いをさらに強くしました。