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大人になってから『アン』を読みましたか?
わたしは、イー・ウーマンユニバーシティ講座で、『赤毛のアン』を原書で読む英語セミナーを担当しています。この2年間に1期〜5期まで開催し、のべ150名以上の方々が全国からご参加くださいました。
初めて『赤毛のアン』の原書を読んだ方は、いろいろな驚きの感想を持たれます。「こんな大長編だったとは……」(本文をすべて訳すと原稿用紙800枚あります)「児童書だと思ってたのに、大人向けの文章だった」「グリーン・ゲイブルズのマシューとマリラが、スコットランド系だとは知らなかった」「引用が多くて、ほかの西洋文学のように、『アン』も聖書とアーサー王伝説の知識がいることがわかった」などなど……。
『赤毛のアン』は、読めば読むほど多面体の宝石のようにさまざまな魅力が輝き、奥深い味わいがあります。わたしは40代になった今でも、読み返すたびに、深く心を揺り動かされます。物語の魅力は尽きないのですが、簡単にまとめると次の8つでしょうか?
1)アンの独特な個性、すがすがしく心温まる成長ぶり
2)マシューとマリラの人間的な魅力、二人が大人として成熟していく感動的な軌跡
3)英米文学と聖書が多数引用される芸術性の高さ
4)当時のカナダの社会、政治、信仰、衣食住が丁寧に描かれている
5)大きな夢を持って、前向きに人生を切りひらいていくアンの力強さと努力
6)プリンスエドワード島州の美しい自然とたくさんの草花の描写
7)アンとダイアナがあつい友情を育んでいく少女時代の輝き
8)ユーモアあふれる語り口、笑いと涙のバランス
物語を子どものころ児童書で読んだ、映画・アニメで見た、という方も多いと思います。
では、ここ最近、大人になってから『赤毛のアン』をお読みですか? あわせて、みなさんの思う『赤毛のアン』の魅力も、ぜひ教えてください!