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株式会社メガチップス会長 、株式会社メガフュージョン取締役兼代表執行役社長
進藤 晶弘さん
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起業家、事業家、経営者。3つのタイプ
- 進藤
世の中にね、僕は起業家タイプと事業家タイプと経営者タイプの人がいると思っているのです。
起業家タイプは、要は本当に現場実践主義で、もう興味津々で、既成概念がない。おかしいものはおかしい、と。だから前例も常識も、おかしいな、と思いながら変えることもできる。この人は本当にやりたいことに燃える人。やりたいことができたら、もう満足してそこで終わりなの。
その次は事業家タイプに引き継ぐと、これは会社を大きくしようとか、拡大路線をとる。その会社を本当に育て上げる。経営者タイプに引き継ぐと、実は安定をして、もう非常に安定感のある会社を作る。
例えば、改革を起こす信長的なものが起業家タイプです。で、豊臣秀吉みたいなのが事業家タイプで、封建体制を完成させた徳川家康のような人は経営者タイプです。会社も同じなんですよ。しかし、天は二物を与えず、なんですよ。人間、どれかのタイプなんです。
で、僕はやっぱり、起業家が好きだし、事業を大きくするタイプじゃない。僕が両方の資質を持っとったら、3倍くらい大きくなるのですが。
実はね、一人の人が起業家から事業家へ、そして経営者タイプに順番に移っていけるのは天才なんでね。例えば松下幸之助がそうでしょう。でも、この1つだけしかなくても立派な仕事をしているのが、本田宗一郎とか井深さんですね。そこには必ず参謀役の事業家がいて会社を大きくして、それで安定させている。だから、ああいう天才は別にして、自分はどのタイプで、どこへ引き継ぐべきかというのを知らないといけない。
でも昨今、事業家でスタートをして、上手く引き継げない人。これが大きな問題なんですね。特に投機的事業家は問題です。世の中はこのような人にスポットライトを当てます。そうすると僕らのような起業家みたいに、小さくてやりたいことをやってそれで満足している人たちが、世の中から尊敬を受けない。そして、事業家を起業家のように見てしまう。
起業家は、本当にやりたいことをやるのが目的だから、機軸をはずさないでしょう。事業家は、会社を大きくするのが目的だから、利益になるなら機軸をどんどんどんどん変えていくんですね。
- 佐々木
確かに、そうですね。
- 進藤
今、たくさんいますよね。いつの間にやら、ソフトウェアの流通をやっていたのが、最終的には通信業になってみたり。彼らは、事業家なんですよ。
経営者は、絶対会社を興さない。受け継いだものを、いかにこう長続き、永続性のある会社に変えるか。まあそういうことを十分に理解して、次世代に渡していく。
だから日本は、本物の起業家、新しいことをやって、社会に役立つことをやって、お金儲けよりも、自分がやりたいことをやり抜けたことに対する喜びを感じている真性起業家にスポットライトを当てて、社会がもっともっとそのような人を尊敬する風土に作っていかないといけないんじゃないかな、というふうに思うんです。
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