ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第70回 一色 真司さん

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株式会社代々木学園代表取締役社長、代々木高等学院学院長
一色 真司さん
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子どもたちが自力で手記づくり
- 一色
それとね、こんな本があるんですよ。かなりやんちゃをやった女の子が、うちの相談室の人間とやり取りしていく中で、「じゃあ、自分の気持ちを、その当時にかえって、手紙というか、文章にまとめて、作文にしてごらん」っていうことになった。で、涙まじりでポロポロと原稿を書いてきた。
「これ、他の人に読んでもらいたくない?」って言ったら、「読んで欲しい」って。で、やんちゃだった子なんだけど、その気持ちを、引きこもっている、いじめられた子に読んでもらったら、「私と同じ!」っていうことになったわけ。
「あなたは?」「あなたは?」「あなたは?」ってやっていったら、みんな、根底でやっぱり同じだった。そういう気持ちを集めて全国に発信したら、たまたまNHKが取り上げてくれて、他にも筑紫哲也さんも取り上げてくれた。で、子供たちが「じゃあ、本にしよう、出版しよう」って、全部、自分らで動いたの。
- 佐々木
すごいじゃないですか。
- 一色
最初は「まさか、出版までできない」と思ったんだけど、子供たちだけで筑紫さんのところに持っていったんですよ。結局ね、これを作るまでっていうプロジェクトに関わった子供たちっていうのは、ものすごく成長したんですよ。で、この本だけで大学行けましたしね(笑)。AO入試で。「これ作りました」っていうだけで。
- 佐々木
そうよね。立派。企画して交渉して、実践して。
- 一色
で、そのぐらい、やっぱり彼女らの成長過程で、ものすごく大きかったんですよね。で、これの大人版も必要だろうっていうことで、一昨年ぐらいから動き出して、これが、その大人版なんですよ。親たちが、かなり恥ずかしい自分らの思春期も綴りあって。
- 佐々木
これは、保護者会で?
- 一色
そう。保護者会で作ったんです。で、保護者会が自分ら。出版はしていないんですけど、印刷会社やっている方が、「じゃあ、うちで刷るから」って。
- 佐々木
でも、それ、すごく重要ですよね。親が気取って、いい親を競い合っても、だめでしょうね。先生がいなくなると、ひどい会話をしていたりする親たちを見たこともあるけど、がっかりだし。
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