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リシャール・コラスさん
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ぶれない戦略を持つべきだ
- 佐々木
これからのシャネルについては、クリアーな状態だとおっしゃったんですけど、ここ1、2年、どういう方向に行きますか。
- コラス
「ラグジュアリーバブル」のこの10年間の中では、本来ならば、ラグジュアリーではないブランドも、ラグジュアリーなブランドに見えたんですね。では、ラグジュアリーとは何かというと、やはり中身なんですね。
ブランドの中身がどこからつくられているかというと、伝統があって、歴史があって、理念があって、そしてやはり新しいことを発言しながら行う、そして商品を作る。さらに僕は職人の技が必要だと思うんですよ。シャネルは全部持っています。まわりにはいろいろなブランドがあって、でも実際に蓋を開けてみると、中身はない。この経済危機によって、そういったブランドはまず消えてしまう。
- 佐々木
だから、今の危機はいいんですね。
- コラス
これは間違いない、すでに淘汰は始まっています。だから私は、我々の仕事は、シャネルのブランドの持っているパワーをさらに上げることだと思います。このような時代だからこそ我々は正しいこと、ぶれない戦略を持つべきだと。そこは消費者も分かってくれるんですよ。
この間、ある女性のお客様に言われたことは、「シャネルさんがいいところはぶれないところ」って。やっぱり消費者は分かってくれるんですね。先ほど申し上げた、自分がラグジュアリーだと思っているいろいろなブランドでも、売上が上がらないと、いろいろ変なことを始めちゃっている。
- 佐々木
媚びるというかね。
- コラス
媚びるというか、ぶれている。それを消費者が見たら、一時期はあこがれていても、これは本物じゃないなってわかる。シャネルはこれからも本物の立場をしっかり保ちながら、新しいことをどんどんやります。消費者はこの危機が過ぎたら絶対に戻ってくる。
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