ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第108回 宮嶋泰子さん

108 |
宮嶋泰子さん
|
|
|
で、試合のある朝ですよ、3人の中で誰をデュエットに選ぶかって
- 宮嶋
スケートなどの場合は、二つの企画を同時進行で取材していたりするので、ついでに撮っていたりもするんです。ニュースステーションの時は、私、17年間に170本ぐらい作っているので、年間10本でしょう。で、私の企画は取材期間が長いものが多くて、だから同時進行で、いろんなものを一斉に取材していたんですね。だから他の目的で、その場所にいることもあったんですね。偶然撮れていることも多かったと思いますよ。
あと、本当に勘ですね。「ここは、行かなきゃいけないな」って、フラッと行く。
あれは1992年のバルセロナオリンピックで、シンクロのデュエットの試合が行われる日の朝のことです。小谷実可子さんがカムバックして、3人の中で誰をデュエットに選ぶかっていう選考会を、なんと、試合当日の朝、がらんとしたプールで日本選手だけでやっていたんです。それを、「絶対にやっているはずだ。」と、朝、フッと思って、プールに走って行って。それを撮っているのは私達だけ。新聞記者も誰一人いませんでした。
- 佐々木
それが、すごいんです。
- 宮嶋
で、実可ちゃんが落とされちゃうんですけど、それは選ぶ方も心を鬼にして選ばなきゃいけないシーンで、異様な空気が張り詰めていましたね。コーチに「何で、宮嶋さん、こういういいシーンの時にばっかりいるの?」って言われて。でも、ずっと見ていると、「今日しか選ぶ日はない」とか分かっちゃうんですよね。
- 佐々木
でも、それでカメラなんか連れていったら、普通、部屋には入れてくれなかったり、撮影させてくれないでしょう?
- 宮嶋
入れてくれちゃったんです。不思議ですね(笑)。
- 佐々木
それはどうして?
- 宮嶋
分からないんですけど、……「取材されるの嫌だな」という気持ちを持たせないっていうことでしょうか。(笑い)
- 佐々木
なんだか全てが、神がかっていますね(笑)。
- 宮嶋
そんな事はないんです。違いますよ。たぶん、だから、カメラがいる事が、すごく特別ではないという感じに、相手にさせてしまっているんだと思うんですけど。
- 佐々木
でも、すごく特別ですよね、あんな大きなカメラは。
- 宮嶋
昔は、大きなカメラでしたからね。最近はもう、小さいデジタルカメラで、一人で何でも撮れちゃう。だから反対に、いろんなお家まで行っちゃって、こたつの中でとか、ご飯を食べているとか、何から何まで撮影できてしまう。よくあるでしょう?
6/24
|
 |
|
|