
知らぬ間に我流に
(しろりむ・三重・パートナー無・36歳)
一人暮らしで自炊をしていると、料理も知らぬ間に我流になってしまいます。最初は人から教えてもらったとおり、レシピで見たとおりに作っていたのが、わたしの場合、1.調味料の量が減って、種類も減る。2.食材が簡単に手に入るものに変わっていく、という2種類の進化を遂げていきます。自分では「なかなか、うまくアレンジしたよね」と思っていたりするのですが、ある日、訪ねてきた友だちに出すと、「何これ?!」と驚かれます(けっして褒め言葉ではない)。そして「味覚の修正に行かなあかん」と叱られて、一緒に外食に行くことに。その後、レストランでいただく料理のおいしさに舌鼓を打ちながら、「客観的な意見を聞くことも大切だわ」と少し自分の慢心を反省したりもします。
モットーは薄味、低塩、低糖、低カロリー
(沙羅・京都・パートナー無・42歳)
1日三十品目、一汁三菜を目安にしてせっせと作っています。大学生と高校生の二人の娘と母の四人家族で、大人ばかりの家庭なので、味付けにごまかしはききません。丁寧に素材の持ち味を生かすだけでなく、調味料にも人一倍こだわってしまうほうです。
モットーは薄味、低塩、低糖、低カロリー、それでいて家族がおいしいと感じるように努力しています。というよりおいしいと言ってくれるからついついうれしくてまた作ろうかなって気分になるだけなんですけどね。味噌や梅干し、佃煮、漬け物も作っています。娘たちの小さいころからお菓子も手作り、ケーキの中に使うジャムまで手作り、ここまで来るとちょっとマニアックかも。二人の娘たちはそこそこの料理好き、特に下の娘は売り物になるんじゃないと思うほどお菓子作りが得意! 「いい母のおかげでしょ!」と言いつつ一緒にお菓子を作って楽しんでいます。
ごはんと味噌汁へのこだわり
(しまこ・京都・パートナー有・37歳)
平日はスピード命!みたいな料理ですが、自分がごはん食いなので、ごはんだけは毎日土鍋で炊き、味噌汁もだしをひいて作っています。おかずがお漬物だけでも気になりませんが、ごはんがまずいのは駄目なんです。この2点は自信ありですね。味噌や醤油、塩などの基本的な調味料は、高くても気に入ったものをそろえています。簡単な料理ほど調味料に左右される(助けられる)ので。
味や色にバリエーションをもたせ
(shiho・埼玉・パートナー有・34歳)
仕事にはしていないのですが、一応調理師の資格を持っているので、多分おいしいと思います。小さいころから、母に仕組まれて、ずっと料理を作ってきました。今でも凝ったものを作るのではなく、冷蔵庫にあるもので簡単にというのがほとんどで、食べてくれる人が食べたいものを作るというのが基本です。
あとは味や色のバリエーションをもたせること。和食が好きなので、どうしても醤油やだし醤油の味付けが多くなりがちなので、同じ味にならないよう注意しています。外食した味を再現というのもよくやっています。もう25年ぐらい前に食べたじゃが明太や、雑誌で藤井郁弥さんが紹介していた炒め物、前の職場で教わったジャコ葱豆腐などは、すっかりわが家では定番。もちろんそれぞれアレンジは加えていますので、元のものよりかなり簡単に作っています。外食ではなく、惣菜も再現する一つですね。メニューに迷ったときは、惣菜コーナーを眺めて、材料を買いに行ったりしています。
素材そのものの味を満喫(由宇湖・パートナー無・32歳)
プロの料理人の繊細な料理とも、お料理が得意と言う尊敬すべき主婦とも程遠い腕前です。以前はおいしい=外食という概念でしたが、5年前に田舎に移り住んでからは、調味料もあまり使わない手抜きなくらいのわたしの料理も、田舎のボコボコした取れたての野菜の味を殺さず、素材そのものの味を満喫できる長所になり、今までは自信をもてなかったジャンルの「お料理」が好きになりました。今では家で食べるシンプルな食事が最高のぜいたくとさえ感じます。
それから、「おいしい」と言ってもらっても今まではお世辞だと思っていましたが、最近は「でしょ!」と言います。自分でもおいしいと感じます。おいしく食べることは栄養ですね。腕がいいというよりは食材がいいのでしょうけれど。
相手がいるとおいしさも倍増(scafe・東京・パートナー有・30歳)
けっして技術があるとは思えませんし、ちゃんと学校で習ったわけではなく、本を見てつくったりする普段の食事ですが、パートナーはおいしいと言ってくれます。仮にお世辞でそう言ってくれているとしても、その言葉を聞くと、不思議と自分の作ったものもおいしく感じます。
自分でつくり、自分だけで食べていた一人暮らし時代は、何を作ってもおいしく感じず、義務的にごはんを食べていた気がします。食事はつくづく相手がいて、会話がある中で、おいしさも倍増してゆくものだと思うこのごろです。ちなみにこの週末は、手巻き寿司と、うしお汁。ほとんどパートナーが準備してくれました。別に厳選素材ではないけれど、お寿司屋さんでは味わえないおいしさで大満足でした。自分の作るものの味に厳しいパートナーも、バクバク食べるわたしの様子に大満足。「家族が増えたらさらに楽しい食卓になるんだろうね」なんて話ながら食べました。
母からもらったレシピで(ちょこばなな・東京・パートナー有・30歳)
外食・中食はたしかにおいしいですが、毎日食べていると飽きがきてしまいます。それに比べて家のごはんはおいしいし、食べ飽きることがないように思います(自画自賛)。わが家のレシピはほとんどが母からもらったレシピですので、安心感があっておいしく感じるのかもしれません。新しいレシピに挑戦したときや、アレンジがうまくできたときなどに、パートナーから「おいしい」と言われるとやはりうれしいです。そういうときに、母から言われた「おいしいごはんを作っていると、男の人は浮気しないで帰ってくるのよ」という言葉をふと思い出したりします。
おいしい料理につながる意識(hirary・東京・パートナー有・42歳)
食べることに対しての欲はすごく強いほうですので、おいしいものを食べることに対しては、頑張ってしまいますね。おいしいものを食べたい意識が、おいしい料理をつくれることにつながっているようです。でも外食も大好きで、そこで知った味が自分のメニューのレパートリーを広げます。ただ、日本本来の食事のスタイル、栄養バランスはすごいなあ!と思いつつも、最近の流行の洋食が食卓に多くなっています。息子にはもっと栄養バランスを考えた食事を作ってやらねば……と思いながらも仕事に追われ、なかなかそうできない今日このごろです。
週末に作りおきして(veronique・パートナー無・30歳)
一人暮らしですが、毎日楽しんで料理しています。「ごはん食べさせて……」と時々SOS電話をしてくる友だちもいて、そういう人はとても喜んでくれるのでうれしいですね。何皿も並べないと満足しない性格なので、週末に常備菜的なものや煮物など作りおきして、平日は手早く準備します。自分の体の声に耳を傾けながら、冷蔵庫や財布の中身と相談しつつ一週間を回していくのがとてもおもしろく、それがおいしいと、ああ生きているな、と実感します。
「自宅通いだったんでしょ。どこで料理を覚えたの」と聞かれることがありますが、実家で自然に覚えました。母が突然強制的に「今日はあなたが料理当番」と言い渡して出掛けてしまうからです。学生のころ試験前などは「理不尽だなぁ」と思っていましたが、どんな時でも自分の食べるものは自分で用意する、という習慣を料理の腕と共に教えてくれた母に今では感謝しています。
盛りつけにも気を使い(Happymania・東京・パートナー有・33歳)
わたしの取り柄の1つだと最近感じているのが、料理の腕です。実家の母は小さなころから台所に立っていたらしく、さすがに料理が得意で、冷蔵庫にある物でチャチャッと1品おいしい物を作ってしまうのには娘ながら脱帽です。その血を受け継いだのか、主人や友人にもいつも好評なので、人に食べてもらう時には特にハリキリます。
わたしの場合も特に高級な食材を使うことはなく、鮮度のいい国産物にこだわるくらいですが、見た目にこだわります。色合いを工夫したりして、おいしそうに見える盛りつけなどに気を使います。おいしそうに見えるとますます食欲もかき立てられますので、とても効果があります。実際自分が外食する時にも盛りつける器から盛りつけ方など、いろいろと観察してまねできることは実践してみることが多いです。それで「おいしいね」と言われると、より励みになって、また頑張るのが上達のコツなんでしょうね。
場数を踏んで(イクラ・東京・パートナー無・41歳)
母が料理が得意でないこともあって、子どもの時から料理番組や本を見てよく作っていたせいかおいしいです。たまには失敗作もありますが、やはり場数ではないでしょうか。何事も同じことを繰り返して極めていくものだと思います。あとは「食べることが好き!」、「作るのが好き!」に尽きますよね。一緒に食べてくれる人のおいしそうな顔を見て、次への意欲も湧いてきます。自分では中華が得意で、申し訳ないのですが仕事がらみで行く中華屋さんより、自分で作った料理のほうがコクがあっておいしいと思っています。

組み合わせも大切
(norieda)
まずいとは思いませんが、やはりプロの味とは、明らかに違います(当たり前?)。プロの味って、締まりのある味というか、何か一味違う感じがします。この一味が、かなり違う。何か隠し味があったり、調味料の量やそのバランスもいいんでしょうね。食材同士の組み合わせや、調味料の組み合わせなど、絶妙なものに出会うと感動します。また、お料理の一品、一品の組み合わせも大切ですね。こってりしたものばかりではせっかくのお料理の味も生かされません。
フードプロセッサなどで不器用さをカバーしつつ
(星みづき・東京・パートナー無・39歳)
料理にはあまり自信がありません。一人暮らしなので自分で作ったらどんなにまずくても自分で食べなければいけないので食べますが、ほかの人に食べてもらったらどういう反応をするか、恐怖です。大学進学を機に一人暮らしを始めるまでは、「不器用」「刃物の扱いが苦手」「料理下手」と思っていました(思い込まされていた部分もありますが)。今でも料理すること自体は好きですが、包丁さばきは不器用です。でもフードプロセッサなどの便利な道具があるので、不器用さをカバーできるのではないかと思います。料理の本が大好きなので、それに載っているメニューを作ることもありますが、分量はかなりいい加減です。だからおいしくないと感じるのかもしれませんが、まったく本の通りに作るのは生活の実情に合わないので……。
おいしい常備菜を試食して(くままん・神奈川・パートナー有・31歳)
自分の料理がおいしいかということに、ちょうど最近意識させられることがあったので、このテーマが目につきました。特においしくないとも思っていなかったのですが、自分が普段つくっているような常備菜の試食をして(スーパーやデパートではなく、家庭の主婦のもの)、そのおいしさに一種のショックを受けました。しかも、それらを2歳の息子もおいしいとムシャムシャ食べるのです。同じようなものをつくっても家ではこんなに食べてなかったのに、「そうか、おいしくなかったんだ」と二重にショック。でも、息子がそれらの料理を食べられるんだとわかったのはうれしかったので、レシピを写して早速家でつくりました。うれしいことによく食べてくれました。
その日は試食だけでなくつくった人の話を聞いたのですが、「おいしいわよ、食べてね」と言えるようにつくるということを聞いて、これまで自分はそういうふうには考えずにいたなと気付きました。それでいて、おいしかったかどうかだけを気にしていたように思えます。よく食べる息子を見てうれしくて、おいしいごはんってそれだけで幸せな気分になれるんだな、ということも改めて気が付いたので、これからは「おいしいよ、召し上がれ」と言えて、「おいしかった」と言ってもらえるような食卓をつくれればいいなと思っています。