本来あるべき子どもらしさが見つかる場所

今日は、「親や社会が教育などで子どもを平凡化、画一化しているのでは？　」という観点から考えてみたいと思います。
今週から小学生の新学年が始まり、子どもが新しい教科書を持って帰ってきました。その教科書を見て、まず驚いたのは、どの教科書も一様に薄いということでした（たしか天声人語にも同じような感想がでていたけれど……）。

小学生の学習要綱が改正され、習得する項目が大幅に削減され、完全週休2日制導入されたことなどによって、学力の低下が危惧されて久しいのは周知のところではあります。わが家の経験で少しお話させてもらうと、下の子は本人の性格や学校の校風、教育方針などから、私立の小学校に入学したのですが、足の病気になり3ヶ月程前に公立の小学校に転校しました。転校を決断した第一の理由は、通学距離が本人の負担となってしまったからでしたが、今ではすっかり公立の小学校の素晴らしさを実感しています。

子どもが通っていた私立の小学校の悪口を言うつもりではないのですが、その小学校を離れて初めて感じていることがありました。それは、その学校の歴史や方針、校風を、先生をはじめ父兄全員が同調していて、一種の呪縛にとらわれ、その伝統ある校風を維持していくことのみをよしとして、一人一人の子どもを本当に見ていたのか疑問を感じた、ということです。その学校を卒業すると、ほぼみんなが似通った考え方、価値観をもってしまうというような重すぎる伝統が個性をつぶしてしまう可能性もあるという気がします。

たしかに、公立の小学校は学力低下(？　)の懸念がなくはないけれど、いろんな子ども、いろんな価値観を持った大人・親がいて、いろんなことを学んでいける場所です。じつは、そこでこそ本当の自分、本来あるべき子どもらしさが見つけていけるのではないか、と感じています。これは、本当に純粋な人って、酸いも辛いも汚れた面もすべて知った上で培われたものこそ本物だ、と信じて生きてきたわたし自身の論理ですけれど……。

非凡であること、個性的であることって、生きにくい場面が多々あると思うけれど、他の人の非凡さや個性を認めてこそ、本当の自分＝個性が育ち、子どもたちも幸せに生きていけると思っています。親や社会が画一性を重んじて、横並びを好み、第三者からの評価ばかりを気にしている以上、幸福に生きていける子どもって育たないんじゃないか、と思いますが……。