
『歌う女 歌わない女』というアルバムタイトルは、パッと聞いたときに凛(りん)と自立した姿が浮かぶ、かっこいい言葉にしたいなと思ってつけました。
今回、よしもとばななさんの小説とわたしの歌詞に共通するのは「自立」というテーマなんですけど、誰でもそれぞれの自立感みたいなものを持ってますよね。
わたしが「歌う女 歌わない女」という言葉で何を表現したかったのかというと、要するに「選択肢がある」ってことなんです。歌う女でいても、歌わない女でいてもいいんだ。両方とも肯定していいんだと。
人によっては、歌う女がポジティブで歌わない女はネガティブという感覚もあるようです。たしかに、歌わない時期はちょっと過去を振り向いているかもしれないし、歌う時期は前に突き進んでいるかもしれない。でも、どっちもなければダメなんですよね。ネガティブな部分も否定しないで、受け止める。両方あって、自分の中でチョイスできる女がいい。
歌う女も歌わない女もどっちもイキイキしてるんだって、選ぶのは自分なんだ、そういうことを伝えたい。
歌詞にある「歌うような女になればいいじゃない、心から生きているつもりがいいじゃない」というのは、これから自分でそれを選ぼうとしている状態。そっちへ向かおうとしている自分を勇気づけている感じかな。わたし自身も、今までの人生ですごく大変なときやつらいときは、そうやって自分を励ましてきたのかもしれません。
つらいときですか? 大体、上を向いて空を見てますね。人間って、思い悩んでいると知らず知らず下を向いてたりしますよね。大金でも落ちてればラッキーだけどそうはいかない(笑)。
だから、空が青くても曇っていても闇夜でも、なるべく上を向いてぼんやりしてます。そうやって見上げていると、何かがキラッとする感じがあったりするんです。なんでしょうね、目に見えないメッセージをプリミティブな感性でキャッチできた!、と思える瞬間がある。その瞬間、「ああ、わたし、大丈夫だ」って思えるんです。
このリポートを読まれて、感じたこと、考えたことをぜひ教えてください。あなたのご意見をお待ちしています。
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