
ボサノヴァが40歳を迎えた98年に、全曲リオ・デ・ジャネイロ録音の『ボッサ・カリオカ』というアルバムを作って、わたしのブラジル音楽には一つの区切りができたと思いました。それからどういう展開をしようかとずっと考えた結果、日本人のアイデンティティーを持ちつつ、音楽をやっている自分がちょっと外に出て他の国々の音楽にも触れながら、それらのエッセンスも交えたアルバムを作っていきたいと思ったんです。
それで、アメリカで生まれたジャズのスタンダードから、ハワイアン、イタリア、そして今回の『DANS MON îLE』はフランス。まだまだ旅の途中です。
『DANS MON îLE』というアルバムタイトルは、曲名でもあるんですが、「わたしの島から」という意味です。わたしの島は日本でもあり、ボサノヴァでもあり、わたしの周りの音楽だったり景色だったり、そこから発信しているものという気持ちを込めています。
アルバムの中で特に気に入っている曲は、『LES
FEUILLES MORTES(枯葉)」とか『SALADE DE FRUITS(フルーツサラダのうた)」。『フルーツサラダのうた』は、フランス語の先生のお子さんで、8歳になる双子の女の子が、たまたま遠足の帰りにスタジオに来たので、「歌ってみない?」って言ったら一緒に歌ってくれて……。発音が素晴らしかったですよ(笑)。すごくハッピーな雰囲気で楽しかったです。
子どもは好きです。精神年齢が同じなのかもしれない(笑)。今までも何度か子どもたちにレコーディングに参加してもらったことがありますし、何年か前のクリスマスコンサートでは、一曲だけサプライズで少年少女合唱団に飛び入り参加してもらったこともあります。
まだそんなに実感していませんが、自分自身も昨年子どもを持ったことで、音楽の表現方法も変わっていくのかもしれませんね。もともと童謡がすごく好きで、子どもに聴かせたいし、自分も聴きたいと思って毎晩ずっと流しているんです。ブラジルにもすてきな童謡があるし、世界の童謡のCDをいつか作ってみたいですね。
このリポートを読まれて、感じたこと、考えたことをぜひ教えてください。あなたのご意見をお待ちしています。
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