チャイルドシートについて真剣に考えるのは、日本では、出産間際から出産後のようですが、アメリカでは、「妊娠中」のようです。何しろ、出産した時に、病院にチャイルドシートを持参しないと退院させてもらえないのです。アメリカでは85年までにすべての州が法律で義務づけ、また、チャイルドシートに乗っていない場合、10〜500ドルの罰金もあります。
一番まじめにチャイルドシートのことを考える時期、つまり妊娠中に、しっかり勉強しなおしてもらおう、ということで、「両親学級」の一つとして、「べビー安全講座」がありました。取材に伺った時、バージニア州ヘンリック病院では、妊娠中の両親に対して、60分の「べビー安全講座」を行っていて、夜になると、仕事を終えたビジネススーツを着た働く妊婦さんなど、20〜30人くらいが集まって、しっかりメモを取りながら授業を聞きます。
「シートベルトの長さを測り、このような金具、ロッキングクリップを使ってシートベルトが動かないように硬く留めます」などと、講師が説明をしていきます。授業後、ビジネススーツで妊娠8カ月くらいの女性に聞いてみると、「今持っているタイプを確認します」。夫婦で参加していた方は、「今持っているチャイルドシートではダメなことがわかったので、さっそく新生児用に買い換えます」など、授業がすぐに具体的な行動に結びついているのが印象的でした。チャイルドシートは、病院の売店でも売っています。
必要を感じたときに学ぶ機会があると、すぐに身につくものですね。