95年に「ニュースステーション」の取材でアメリカに行った理由は、当時、人気が高く、一番売れていたチャイルドシートがアメリカの消費者団体の独自衝突テストで、危険と判明したということが、全米で大きなニュースとして取り上げられていたからです。
体の大きさによって、3つの種類があるだけではなく、チャイルドシートにはメーカーの工夫もあってさまざまなタイプがあります。ベルトは何カ所で留めるタイプなのか、椅子の形状や素材はどうかなど、さまざまな点から、チャイルドシート自体の強度を確認する必要があります。この団体は、子どもの安全性を、独自の衝突テストで確かめたのです。
製造メーカーが独自に行っている衝突テストで問題ないということで販売されていただけでなく、一番人気があり売れている商品だったのにもかかわらず、危険、ということになったのです。
最近は日本でも、国土交通省で安全性テストの結果を公表しています。しかし、どのようなダミーを使ってどのようなテストをしているのかなどを調べても、まだ、安全性の基準設定を含めてとても未熟な分野であることがわかります。人気や販売員の説明だけで判断するのではなく、各テスト結果を細かく読み、参考にされるのも大切なことだと思います。
アメリカでの取材の時は、アメリカの運輸省や製造会社の安全性テストでは安全、と確認されたものが、消費者団体のテストで壊れ、子どもが飛び出した、ということがありました。日本でも、2004年1月からは商品のリコール対象にもなることが決定されました。既に購入しているチャイルドシートについても、情報確認が必要ということです。