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きちんとした情報を与え、考える能力を伸ばす
家庭の中で性を話題にすることに関して、日本はかなり遅れているようだ。そして、このために問題が起こっているようだ。さらに、海外ではどのように性に取り組んでいるのだろうか。
性に関することは語ってはいけないと感じている子は、たとえば性的ないたずらをされても、ショックを受けて、何をされたのかを親にも語れないというのが問題のひとつです。性犯罪が増えてきているようですが、このように隠されている性犯罪を含めるとおびただしい件数に上るのではないでしょうか。
一方で、「膣」とか「ペニス」という言葉をお父さんやお母さんに教えてもらった子は、「誰々さんが私の膣に指を入れた」とか「ペニスを私に見せた」というふうに言葉にすることができるんです。性犯罪や性虐待が起きても、親がそういう言葉を避けていると、子どもが言えなくなり、それを感知したり救ったりできなくなっているケースも多いんです。
カトリックのように宗教観から性については語れないという歴史と伝統を持つ国もありました。しかし、今は世界各国が努力し、スタンダードができてきています。WHOの“Adolescent
Sexual and Reproductive Health”はそのひとつです。
セックスについて教えるのは、本当に枝の部分で、その幹は自己の尊厳を教えることだったり、自分を大切にすることだったりする。枝の一つひとつには、タバコ、アルコール、ドラッグ、いじめや暴力などいろんなことがあります。きちんとした情報をその子たちに教えることによって、自分がどうしようかを考える能力をだんだん伸ばしていけるようにする。日本ではそういう意識が非常に希薄で、そのために問題が起きているとも言えます。
> Adolescent
Sexual and Reproductive Healthについて(WHO)
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