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変化する性の価値観に合わせた性教育
「性」を語ると言っても、教師や親が語るなどいろいろな状況が想定できるが、日本の「性教育」が他国に比較すると遅れている理由は何か。
日本における性教育は全然、進んでいませんね。まず、性に関してはこの何十年間で価値観ががらっと変わってきたと思います。おそらく今の50代、60代の世代では「セックス」は「結婚」と同義でした。ところが、30代から40代は、恋愛がまずあって、お互いに好きだからら性交渉があってもそれは自然だと思っているし、「恋愛」と「性交」をかなり一致させて考えています。
ところが今の10代、20代はそれさえ分離しているかもしれません。恋愛がなくても性交は成り立っているという現実があります。性交渉への敷居が非常に低くなって、恋愛とさえ離れているんです。
私はそれだったらそれでいいと思います。自分が何をしたいのかがきちんとわかっていて、自分の健康、生き方がある程度把握されていて、それを表明できればいいのではないでしょうか。
今は、男も女もある程度仕事をしてから子どもが欲しいと思っています。性行動の開始と子どもの産み始めがものすごく離れてしまった。そういう状況の中で「性交=結婚」という価値観は伝わりにくいでしょう。若い人たちが、そういうふうに感じられなくなっているという現実があるのだとしたら、その現実に見合った教え方をしなければいけないですよね。
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