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四つの自立
自立には「経済の自立」、「家事の自立」、「精神の自立」、「性の自立」の四つがあると、松本さんは定義している。松本さん自身はそれらをどのように身につけてきたのだろうか?
お料理やお洗濯といった家事は、1、2年もすれば上手になるんですよね。だけど、その次に学校を出ると、経済の自立に直面した。会社に入って働くという経済の自立。ただ働くだけじゃなくて、周囲に評価される仕事をして、職場の人間関係もきちんとしなきゃいけない。仕事には嫌なこともつらいこともあります。
でも、お金を得るために、気持ちを立てなおして、毎日、働く。自分の収入の中で、借金したり無駄遣いしたりしないで、金銭管理もきちんとする。そうした経済の自立も、独り立ちの勉強だったんです。だからわたしはまず最初に家事の自立、会社に入って経済の自立を学んでいったと思います。
その後に直面したのは精神の自立。悩みがあったり、仕事で失敗した時に、とめどもなく落ちこんで、やる気がなくなったり、時にはうつ病みたいなっていました。心の自立ができていなかったんです。
精神の自立ができていないと、大変なことがあるとすぐにやる気をなくしたり、お酒に溺れたり、自分で解決策を考えようともせずに愚痴ったりします。人は弱い生き物だから、もちろんそんな時もあっていいけど、でも最後は、自分を奮い立たせて、前向きに、きちんと問題を解決するという心の力が大切なんですよね。
仕事に限らず、生きていくには、いつも自分を励まして生きていく心の力がいちばん大事なんだって、最近、しみじみとわかるようになりました。最後の性的な自立は、性と健康、避妊の知識を正しく持って体を大切にすることです。これは恋人ができていく中で考えるようになりました。
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