ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第84回 金子 奈緒さん

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金子 奈緒さん
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ナレーションの技術
- 金子
作品、例えばテレビのナレーションだと、BGMみたいに自分がなれるかどうか、邪魔にならないで聞けるかどうかっていう。
すごく変な、矛盾しているように聞こえるんですけど。例えばCMのナレーションだったら、商品が主役でいるんですよね。で、その商品をどれだけ目立たせられるか、なんです。音楽を作曲家さんがつけて、ナレーターさんが読むっていう、その複合作品で商品が一番上になきゃいけない。これがテレビ番組だったら、映像が主役としてあるわけで。
で、バラエティーでも何でも「見せているものを説明する時に、そこのナレーションばっかり気になっているようじゃ、やっぱりだめだと思うんだ」っていうのを、テレビの方がおっしゃっていたことがあって。それは本当に何気ない会話で、確かお茶か何か飲んでた時だったかな。フッとプロデューサーの方がおっしゃって、その時に私は「なるほど」と思ったんです。もちろん、「陰になれ」って言ってるんじゃなくて、「映像と声が合わさって、一番いいものをやりたい。ナレーションだけがこうとか、映像だけがこうとかいうのは、理想じゃないんだよ」って言われて、「なるほど、深い」って。ラジオって、やっぱりパーソナリティーが出てないと意味がないんだけれども、テレビって、映像があって、ナレーションがあって……ですよね? そういう作品の一部に自分がなれるかどうかっていうのが、すごくチャレンジなんですね。
- 佐々木
それはそうだよね。テレビのコマーシャルを見ていると、全然映像に合っていないで、「この人は、誰」って、分かる声で出てくる人とか、いたりするでしょ? そうすると、すごくやっぱり、コマーシャルという作品として出来上がってないですものね。
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