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金子 奈緒さん
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「読み芝居」と「朗読」は、違うんですよ
- 佐々木
そうですね。私、「朗読」っていうのがプロフィールに入っていたから、聞いてみたいなと思って。
- 金子
朗読ってすごく不思議な生き物です。よく俳優さんとか女優さんが読まれている文学作品がありますよね。もちろん「誰々さん朗読」となるわけですけれども、実はそれは細かい定義でみると、朗読ではないことがあるんです。「読み芝居」、が1番近いかな。女優さんが読まれるときは、登場人物によって全部声色を変えることも珍しくないですよね。
でも朗読って本来はそうではなくて、このままの声で、多少トーンを下げたり上げたり、テンポを変えたりするだけなんです。で、それだけで全部の場面の色を想像させるのが朗読なんですね。
私はそういうのは忘れずにやっていたい。ずっとやっていたことだから。おばあちゃんのところで、おばあちゃんの声で読むのは朗読じゃないんですよ、本当はね。皆、それは朗読としてやっているんですけれども、そうじゃない。何となくトーンが低くなったら「もしかして、これは、おばあちゃんなのかな?」と想像させるのが醍醐味だし、楽しい(笑)。こういうことを忘れずにいたいなぁ、って思うんですよね。
- 佐々木
そうか。話す技術というのは、確かに、時間を守るというのも技術でしょ? で、先程の、場所とか時間を考えて、リスナーのことを思って話すというのも技術。で、当然、テーマ、いろいろな話題に楽しく乗れていくっていうのも技術だと思う。その他に、今おっしゃったような、朗読という中でも、決められたものを、あるルールに従って、っていうのかな? 読んでいく技術。
- 金子
そう。ありますね。
- 佐々木
他にも何か技術があるんですか?
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