ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第84回 金子 奈緒さん

84 |
金子 奈緒さん
|
|
|
雑食であること
- 佐々木
その引き出しを作っていくのが、金子奈緒の売りでもあるし、これからの、たぶんポイントにもなっていくんだと思うんだけど。引き出しを増やすっていうのかな。金子奈緒さんっていう人を膨らませていく、どういう勉強っていうのかな、たくさんきっと本も読まれるだろうし、いっぱい映画も観るだろうし、音楽も聴くだろうし、町も歩いていらっしゃるだろうと思うけれども、意識して引き出しを増やしていくために、どんなことをされているんですか?
- 金子
一言で言うと、雑食であること、なんです。もちろん何かに特化して、例えば映画を突き詰めていくっていうのもすごく素敵だし、嫌いではありません。むしろ集中タイプ人間の私は「これが好き」っていうと、道具から何から、もうガーッ(笑)。
で、それもいいんですけれども、その前に雑食でなければ、自分が何が嫌いかも分からないかなって。何が苦手、このジャンルは苦手って分かっていれば、そのうえでの姿勢ってあると思うんです。別にそれを好きと装うわけじゃないんですが、嫌いなところから入っていく入り口って、絶対あると思うから。
仕事でも何でもそうなんですが、「苦手だな。嫌いだな。でも何が嫌いなの?」って考えるのが大切。だから、雑食。でなければ、好き嫌いにも気づかないし、好きも、もっと好きになれない。で、食べ比べもできないでしょ(笑)? いい素材のものにも気づけない。そういうことだと思うんです。だから、何でもやるようにしています。自分で「これは嫌」って、なるべく簡単に線を引かないように。難しいですけど(笑)。
若い時は、「もっとやらなきゃ」っていう焦りがある分、ガーッて行けたんですけれども、今はそうでもない分、ともすると「これは嫌」って、ピーンッて、はじきそうになるんです。
- 佐々木
そうですよね。仕事だって何だってね。
- 金子
でも、それだけでは次に繋がらない。だから「雑食であることを忘れるなよ」って自分に言い聞かせているんです。
15/29
|
 |
|
|