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丹下 一さん
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自分のリミットを越えるために
- 佐々木
ブレイクスルーっていうか、やっぱり自分のリミットは、要するに、自分が作っているリミットなんだっていうことを、体験を通じて感じるということですね。「できないと思っていたのに、できているじゃないか」って体験を積み重ねるっていうことですね。
- 丹下
そうなんです。例えば、それこそ一昨日うちの娘がバンドデビューしましたけれども、「ちょっと歌ってみろ」とかってやったときに、声が全然出てないんですよ。もう、「声、出ないな」とか思っていたのを、本番になったらいきなりウワーッとか出るんですよ。やっぱり人前に立つと。『自分でも、「なんで、こんなに声が出るんだろう?」なんて思った』なんて言うんですよ。それはお客様の力でもあるんだけれども、それは実際、できるんですよ。
- 佐々木
そうね。「やらなきゃ」っていうか、「やろう」って思った瞬間にできるってことですね。
- 丹下
できちゃうんですよ。今まで一度も、全然できないことでも。本気じゃなかったんですよ。だからそれを一回体験すると、次からはもう、その抜けた声で稽古ができるようになるんですよね、俳優も。
一回、舞台でやれると、「あの時の感じだ」と思うとできるんです。で、それの積み重ねで、「なんだ、僕ってできるんじゃない」というふうになっていくんですね。そこはつまらない自信過剰じゃなくて、「自分はそういう体験を積み重ねてきているんだ」ということは、すごく大事な財産になるはずなんですね。だから、そういうことを、講座の中で、4時間ですけれども体験していただくので、それをずっと積み重ねていって体験してほしい。
- 佐々木
講演者総合養成講座の20回、いろんな先生から刺激があるわけですが、丹下さんの4時間が終わった後の受講生の開き方は見違えますものね(笑)。
- 丹下
ありがとうございます(笑)。だって、最初の5分スピーチを聞かせていただいているときにある程度、「なんだ、もっと行けるじゃん」みたいに思うんですよね。「皆、まだこんな、もじもじしてるけど」なんていう。「楽しみだな」っていうふうに。
- 佐々木
なんだか、外からプツンと刺激すると、ツルンと皮が剥けて中から出てくるというのがね。楽しいですね。
- 丹下
あれを見ると嬉しいんです。本当にその人が一所懸命で、開いていく姿を見るというのは、僕、演出の仕事もしているんですけれども、演出者としては、もう、すごく幸せ。その人がすごく楽しんでて、自分が「できた」と思うと、すごく嬉しい。そのときの、そのオーラがワーッと広がってくる姿を見るのは本当に幸せなんですね。
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