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池上 彰さん
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基礎が大切だから、コーランを読みました
- 佐々木
ライバル視とは言わないかもしれけれど、勉強や、競争相手として見ていた番組はありますか?
- 池上
ライバルはとりあえずなかったですね。まったく新しいジャンルでしたから。今はいろんな番組がありますね。「とくダネ!」でもそうですが、やさしくニュースを解説するっていう番組が増えてきましたよね。だから今だったらそういうのを見ると、あぁ、こうやってやるのかって勉強になるんだろうと思うんですが、始めた頃はライバルってものがそもそもなかったですからね。まったく新しいものを作って、自分で考えるしかなかったですよ。
だからあえて言えば、新聞をよく読むこと。新聞をよく読んで、そのニュースの本質を一生懸命つかもうとする。
たとえば、「日銀が量的緩和を始めました」みたいなことになると、基礎から勉強するわけですよ。日銀はそもそも市場公開操作ってどうやってやるんだろう、日銀は紙幣を発行しているって言うけど、どうやって発行しているんだろうか。だって私達、日銀に行ってもお金もらえないですよね。世の中にお金を出すってどうやってやるんだろうかって素朴な疑問で勉強していくわけですね。そうすると、日銀のことすべてを勉強するしかなかったんです。
- 佐々木
勉強するって簡単におっしゃいますけど、かなり時間もかかるし、どういう風に?
- 池上
経済学を勉強する。経済学の本を通勤の行き帰りに電車の中で読むわけですよ。
また、9・11が起きた直後にね、イスラム過激派って出てきましたね。イスラム教って何か。とりあえずの解説本を読めばわかりますけど、やっぱりイスラム教の概念ってコーラン読まなきゃいけないわけでしょ。コーラン読みましたよね。
- 佐々木
そうか、コーランをお読みになる。
- 池上
一度、本当の基礎をやっとけば、これからいろんなところで中東の話が出てきたときに、イスラム教徒ってこう考えるよねっていうことがわかるわけです。
13/29
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