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フリーダイビングトレーナー・アプネアフォトグラファー
菅原真樹さん
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日本一の海女との出会いから、世界の映像祭へ
- 菅原
日本一の海女にお会いできたことが、非常に私にとっては大きいことでした。ベオグラード国際水中映画祭、スロバキア・ハイタトラ国際水中映像祭、そしてフランスのアンティーブ世界水中映画祭にまで参加させていただいて、世界中の海の仲間と交流を図ることが出来ました。
「大海女」という作品はは、ビデオ映像に97枚の写真を組み入れて、末子さんから聞かせていただいた言葉をシンプルにそのまま入れて作りました。そして、音楽も自分の感性に合ったものを吟味して、完成させたのです。
それを見ていただくと、撮影した自分が作品を繰り返し見ても、非常に歴史の重みを感じるし、日本の海を強く感じるのです。それがヨーロッパの方にも分かっていただけたっていうことが、私にとってはプラスですね。
私は昔から、モノクロームの写真を手漉き和紙にプリントできないかっていうことを考えていたのですが、たまたま末子さんのいる鳥取の青谷は因州和紙という手漉き和紙が有名で、これも歴史が1200年続いているという凄いものなんですね。
そこでまた和紙作りの名人との素晴らしい出会いがあったんです。名人の「自分の作品が人の手によってはじめて完成する」というとても謙虚な姿勢が、私の自然を見つめるための姿勢と一致した事により、このプロジェクトを進めるキッカケとなりました。名人の方は、私のためにこうやって今回は竹と麻で特別な紙を作ってくださいました。
- 佐々木
菅原さんのために作った和紙、ですか。
- 菅原
はい。これをもっと大きなものにして。それを今回、パリのヴォーグっていうモード雑誌のご用達ラボに持って行ったんです。紙を持っていくと、またそこで職人たちが、この紙でぜひ挑戦したいと言ってくれたのです。まだこれはテストプリントですけれども、そこで私は、近代的な最新の技術を持つデジタルラボと、それとピーター・リンドバーグさんというファッション界のフォトグラファーでとても有名な方もご用達昔ながらの伝統的な暗室技術を使ったアナログ的なラボと、2つ。両方にコンペティションをさせて、可能性を引き出していく事を思いついたわけです。
まあ、そうやっていくと、そういうコラボレートしたもののクオリティがもっと高いものになる。世界中どこへ出してもいい、っていうような全体的にもっとレベルが上がると考えました。
- 佐々木
この2枚ですか。
- 菅原
こちらが普通の紙にデジタルプリントしたもの。こちらが特別な和紙。私はこっちのほうが、長い間見ていくと、どんどんこう浮き上がってくるものがあって、この紙自体がずっと呼吸をして、自然のものですから、だんだんこの作品に溶け込んでいくような気がするんですね。
- 佐々木
一度に比べると、デジタルプリントのほうがきれいに見えるような気がするけれども、長く見ていると和紙の方が味がある。時間軸がある感じなんですね。デジタルは、切り取った感じ。
16/25
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