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川村秀樹さん
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広報の二つの役割
- 佐々木
広報の仕事をする人の中には、メディアに露出させる機会が多ければOKというのがあるように思うのですが、そこで「どう映るか」について、プロフェッショナルな指導を提供したり、戦略的に考えたり、経営者と同じような考え方になるということが少ないですよね。
広報=営業ですよね。わたしの写真が何回新聞に出たではなくて、さまざまな露出のなかで、見た方がイー・ウーマンのリーダー登録をしたくなるとか、イー・ウーマンに商品開発や意識調査を依頼したくなるとか、そんな結果があって初めて意味があるようにも思うんです。そのあたりは、まず広報担当者のマインドを変えていく必要があるということですよね。
- 川村
両方あります。今佐々木さんがおっしゃった営業、マーケティング的なセンスをもっと強く持ちなさい、ということが一つ。たとえば、ある会社の代表を露出する時に、その会社のビジネスが、2年後、3年後にはこういう方向になる、そこに焦点を合わせるような形で代表に話をさせる。
だけど、たとえば顧客が20代女性の場合、代表者が、将来的なこと、2、3年後には女性の社会進出がこういうふうな形になっているはずですというような考えを話しても、顧客はその考えを理解したり、同じ立場で考えたりすることができない。
20代の女性にとっては、その代表の考える3年先というのは、ある意味、すごいギャップがあるわけです。これを数百文字の中で記事にしてもらうには、具体的に20代の人が、ついていけるような身近な材料も入れた話を、その代表者にどう話させるのか、というところが演出だと思います。
- 佐々木
わたしなんかは、記者の方がわかってくださるまで、一生懸命話して。しゃべりすぎちゃうんですよね(笑)。
- 川村
しゃべりすぎる人のリスク、っていうのがあるんです(笑)。
- 佐々木
そう。本当は「このポイントを伝えたい」と思うんだけれど、相手がわからないようだと、こうじゃないですか、ああじゃないですか、って一生懸命に説明してしまって、結局は相手の印象に残ったエピソードはわたしが伝えたかったことじゃなかったり。
- 川村
こっちが書いてほしいことに記者が関心を持つ場合は理想的なインタビューですよね。ところが、自分はこれを書いてほしいけど、記者は違ったところに関心を持つ場合というのも大いにあり得ますよね。
記者の持っている関心事項が自分にとってポジティブであればいいんですが、たとえば自分たちの企業を否定しているような、ネガティブな場合には、セカンドベストの結果を出す。記事にさせないことも考えます。
記事に書かせないような話をする。インタビューを受けたことによって時間はつぶすけれど、変な記事を書かれるくらいだったら、記事にされないほうがましじゃないですか。もちろんベストは、「そうは言っても、こっちのほうが大切よ」と言って、自分にとってのポジティブなテーマに相手を乗せることですが。
- 佐々木
営業やマーケティング的な要素が一つ目。もう一つは何ですか?
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