ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第24回 鳥越俊太郎さん

24 |
鳥越俊太郎さん
|
|
|
「ニュースの職人」としての自分の知識と「勘」
- 鳥越
そう。そういうことを根底に置いて、僕なりの真実に一歩でも近づく方法って何なのだろうというとですよ。
過去の経験してきたものが僕の頭に入っているわけですよね。あるニュースが入ってきたときに、頭の中にあるコンピュータがパッパッパッと動いて、直感というのを働かせるわけですね。論理的に積み上げてくるのではなくて、「あ、こうじゃないか!」と瞬間的にひらめく。
シャワーを浴びているときや、道を歩いているとき、とにかく、どんな時でも、ふとした瞬間に出てくるんですね。じっと考えているときは浮かばないんですが。
- 佐々木
具体的にはどんなことですか? 取材の切り口とか、視点とかですか?
- 鳥越
どんなことでもです。データが入ってないと検索できない。でも僕の頭の中のコンピュータには、曲がりなりにも39年分のデータが入っているわけです。
職人というのは、どういうことをするかというと、たとえば、かんなで木を削りますというときに、いちいちものさしで測りながら削っていくわけじゃないじゃないですか。自分の直感で削っていく。職人といわれる人たちはみんな目分量で測りますでしょ。勘というのは長年の経験によって培われるものです。それを持つ人を職人と呼んでいる。
ニュースを伝える場合、ジャーナリストやキャスターという肩書きがありますが、僕にはどうもしっくりこない。キャスターと言われると「え、いすの脚に付いている車?」って、皮肉に思ってしまう(笑)。
じゃ、なんて呼び名があるかなあと長年考えてる中で、「そうだ、おれはニュースという商品を作っている現場にい続けようと志している職人だ」と思えばいい、という境地にようやく立ったわけです。
- 佐々木
そうか。よくわかります。その、「ニュースの職人」として、今回、イラクに行かれるのですね?
11/14
|
 |
|
|