ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第24回 鳥越俊太郎さん

24 |
鳥越俊太郎さん
|
|
|
ニュースは欠陥商品だから
- 佐々木
毎日たくさんの新聞からさまざまな角度からニュースを入手していらっしゃるわけですが、複数の報道機関が伝えるニュースを毎日見ることの大切さは。
- 鳥越
最近、メディアリテラシーって言葉が使われますよね。結局、新聞もテレビもニュースを伝えるための商品だとすると、全部欠陥商品だと思っているんです。
ニュースに関しては、100%正しい商品なんてあり得ない。まず、第一に時間と競争してやっていますから、常に不十分なまま出しているわけですよ。
その上、人間というのは非常に主観的なものの見方をするもので、必ず思い違いだとか、思惑を読んでいないとか、さまざまな原因で、実像からはかなりゆがんだニュースを発信していると思う。それが大前提だと思っているんです。
『報道は欠陥商品と疑え』という本も出しましたが、そういうふうに、受け手側が一応疑ってみるというのも大切。いつも疑ってばかりでは困るんでしょうけれど、書いてあることをすぐに100%真実だと信じ込む、という姿勢を変えないといけないんじゃないかと思います。
- 佐々木
そうですね。
- 鳥越
じゃあ、われわれの仕事は何をするのかというと、「今日出したものは100%真実じゃないかもしれない。だから明日は真実に近づこう、あさってはもっと近づこう」ということ。
つまり、真実はどこにあるかわからない、だから一歩でも真実に近づこうとする努力をすることなんです。
- 佐々木
「ニュースの職人」という肩書きをお使いになっているというのは、一歩でも真実に近づこうとしている、ということの表現ですか?
10/14
|
 |
|
|