ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第142回 吉岡徹治さん

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(株)プライム・ヒル代表、ジュニアゴルフマジック監督、代々木高等学校ゴルフ部監督
吉岡徹治さん
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彼も、順調に賞金王になったわけではなく
- 佐々木
それで、その石川君ですが、どんなにゴルフが上手くても、小さいときから天才だ天才だと連れ回されると、鼻高々な変な少年になっていくケースも想像できると思うんですよね。
- 吉岡
仰るとおりですね。
- 佐々木
でも、今、石川君に、あれだけのファンがいるのは、彼が謙虚だったり、誰もが自分の子にしたいと思うような礼儀正しさだったり、髪型や服装、ふるまいだったり、こんな子をどうやって育てたんだろうってうらやましくなるような、どの年齢の人が見ても「いい子」って思えることが特徴だと思うんですが、中学から、天才だ天才だと引っ張り回していく中では、ゴルフ以外の教育っていうのも、たぶん熱心にされたわけですよね?
- 吉岡
もちろん本人には「君の才能は素晴らしい」など煽てるようなことは言わないし、でも周りに対しては、やはり彼をPRしていかなきゃいけないので、「今度の石川はすごくいいんだ」と言ってPRしました。本人に対して「お前は天才だ」とか「すごいな」とかいうのは、一切、もちろんやらないですよね。
それから、彼が育ってきた家庭ですが、そんなに裕福な家ではない、普通の家の子なので、皆さんに大事にしていただいたり、いつも行っている練習場の方に協力してもらって、ボールを打たせてもらったり、ラウンドさせてもらったり。いろんな方にお願いをしないと、彼はゴルフができなかったんですね。
だから、すごく周りの人に感謝する気持ち、皆さんに大事にしていただけるような態度とか人間性を必然的に求められていたので、彼は、生きる術と言いますか、そうでなければゴルフが続けられなかった。
家がものすごくお金持ちで、いくらでもゴルフをやれるんだったら、感謝の気持ちも何もないですよね。とにかく存分にゴルフをやる、と。それが悪いというわけじゃないんですけれども、そういうところを周りも求めたし、だから彼はすごくそこを分かっていて。そうでないと自分はゴルフを続けられないんだ、というようなことで人格を形成していったと思うんです。
- 佐々木
知性がないと長続きしないじゃないですか、どの職業でも。もしかすると1回は優勝できても、多くの人から支えてもらえないと長く続かない。でも石川君の場合は、コマーシャルはキムタクと同じ数とのことで人気だし、インタビューを受ければ、そのコメントに多くの人が驚くし。全体的な成長がすごく豊かな感じがします。
- 吉岡
ただ、彼も順調に賞金王になったわけではなく、プロになったときに一気に注目されて、今までにないようなギャラリーの方が周りに立ったり、カメラのシャッターがあったり、もちろん携帯電話が鳴ったり、声を掛けられたり、いろんなところで戸惑い、「どうしよう」と。一番困ったのは……。
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