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(株)プライム・ヒル代表、ジュニアゴルフマジック監督、代々木高等学校ゴルフ部監督
吉岡徹治さん
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「僕の目指すところはもっと高いところなんだ」って
- 吉岡
一番困ったのは「プレーに集中できないんだ」と。ちょっとしたミスでも許されないような気持ちになって、すごく精神的に不安定になった時期ですね。その後の2ヵ月ぐらいですかね、「集中できない」と。
- 佐々木
見られているから。
- 吉岡
ええ。「今までのような気持ちで試合に出ていけない」とずっと悩んで、1人でロッカールームにこもったり、タオルを被ったり、「プレー中、どうしたら集中できるんだ」と。打つときには周りが動いているように見えるし。
ただ、本人に話をしたのは、「僕達の目指すところは、日本のツアーの優勝じゃなくて、マスターズであり、世界のメジャーの優勝が目標だから、今これだけの多くのギャラリーの方に来ていただいて、メジャーの会場の雰囲気を練習させてもらっていると考えたらどうだ?」っていう話をしたんです。「将来は、こんな3〜5,000人の人数じゃなくて、4〜5万人の中で、君はプレーをしたいんだろう?」と。
「であれば、今はそういう練習をさせてもらっているんじゃないか?」っていうことで、「分かりました」と、また顔がちょっと変わって。「そうなんだ、僕の目指すところはもっと高いところなんだ」っていうふうに気持ちを切り替えさせてあげてから、ニコニコと試合に出て行くようになりましたね。
- 佐々木
素晴らしい助言ですね。ここがもう最終の本番だと思うと、本当に一喜一憂しちゃうけど、もっと先に向かって歩いている、今は途中だと思うと、少し心が落ち着く。
- 吉岡
そういう心のケアをしてあげる。技術的なことは僕が教えられるわけじゃないですけれども、一緒にいるときぐらいは精神的な支えになってあげよう、と。
- 佐々木
今でもメールが来たり、電話が来たりするのですか?
- 吉岡
卒業のときに「卒業おめでとう」ぐらい、するぐらいで、あまり頻繁にやりとりとかはしないですね。年に何度か、試合会場に行ったときには、練習を見て、「今、どんなことをやっているんだ?」とか、聞きたいことがあれば、そのとき、「あのとき、どうだったんだ?」とか……。
最初に優勝したときも、「あの池越えの、あのボールはないだろう」とか「いや、一か八か」みたいな、ちょっと聞いてみたりとか、そんなことはありますけど、頻繁にやりとりするとかじゃないです。
一応、卒業させた生徒ですし、僕は今預かっている子ども達の指導に集中をしたいと思っているし、彼も自分のゴルフにもちろん集中していると思っているから、いい距離感で付き合っています。
9/27
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