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川本裕子さん
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日本の経済は、潜在力を生かしていくということ
- 佐々木
川本さんから見ると、日本経済はどうなっていくのでしょう。
- 川本
「どうなっていく」という議論のたてかたより「どうしたいか」という設定でしょうか。日本の経済は、潜在力をどれだけ生かしていけるか、がポイントですよね。まず少子化問題を反転させるような政策。そして企業の自由な活動範囲を拡大し、雇用や投資を増やしやすいようにする。もちろん国は国民個人へのセーフティネットをきちんと用意する。その上にたって企業はイノベーションをどんどん起こし市場を開拓していく、という王道しかないですよね。
日本は90年から成長率低迷が続いていますが、それは政治の責任もすごくあると思うんです。官への依存体質が強まり経済の新陳代謝が起こらない。将来性の薄い企業が退出をせず、参入企業も少なく、経済が活性化する仕組みがものすごく抑えられていた。
- 佐々木
企業が退出をしないって、どういう意味ですか?
- 川本
中小企業などで、本来であれば、もう、これ以上続けていても持続可能性がない、他業種に転換した方がいいといった企業でも、一律的に資金保証をつけたり、時には追い貸しを促進さえする。結果として現状固定、経済としては新陳代謝を損なっている。雇われている人にも将来展望は開けず、不幸です。「中小企業は国の宝」といいながら、これはよく考えれば冷たい政策だとさえ思うのですよ。企業が倒産したりするのはもちろん大変な話ではあるのですが、そこにばかり目がいって、思考停止になっていないか。個人にセーフティネットを提供しつつ、活力ある起業が本当はもっと起っていい。
そこで前提になっているのはどうしても長老が支配する世界。そうではなく、若い人達の意欲を高め、多様性を高め、女性をどんどん労働力として使う新しい企業が生まれ育ち、伸びる社会になってほしい。日本人はよく教育・訓練されているので、もっともっと経済成長できると思っています。
今、民主党が公共事業の見直しで、いろいろなところで住民との対話を始めていますよね。テレビで写っているのを見ると、住民の代表というのはみな中高年の男性ばかりなのですよね。住民なのだから、中高年の女性もいるでしょうし、少しは若い人もいるかもしれない。ところが住民代表というと中高年の男性というのが古くからのあり方なのだと思う。
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