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川本裕子さん
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観光立国とか言っているわりに
- 佐々木
確かに、全員30年来の友達という経済界に新参者が入って、いくら仲良くしてもらってもギャップは埋まらないわけですよね。
- 川本
「ようこそジャパン」とか、観光立国とか言っているわりに、地方のお祭りに行くと、いい席には、町の重鎮が座っていたりする。そここそ、観光客に開放しなきゃいけないのに、地域のお偉いさんが、日本中で上座。
地方を旅行したり、出張に行ったりするたびに若い人に聞いてみるんですね。もちろん旅行者としてだから、情報が限られていますが、ボート屋のお兄さんとかにインタビューしてみる。何が一番大変かと聞くと、「上の人がどかないから、上がれない」って言う答えが驚くほどある。
- 佐々木
そうすると、長寿立国としては、企業の経営組織も、なんとか協会も、重鎮が「どうぞ」と席を譲る必要がある。
- 川本
若い人の意欲を生かす構造を作らなければいけない。
- 佐々木
でも彼ら重鎮が、何らかの次の役割なり場所を見つけない限り、そこに居続けるでしょうね。
- 川本
NPOとか、若い人への教育係とか、あるいは起業してもいいと思います、75歳とかでも。
- 佐々木
韓国が、その点は素晴らしいと思うんです。私がユニカルインターナショナルを起業した23年前は、韓国のほうが男尊女卑は激しく、ビジネスウーマンの苦労話を韓国女性たちにずいぶん聞かされましたが、2年前に韓国のビジネスフォーラムに招かれスピーチをしてみると、韓国のビジネス界は、経営者がほとんど40代・50代になっている。それもほとんどの経営者が、ハーバード、スタンフォード、イェールなどに留学していて、アメリカを中心に強いビジネスネットワークを持っていて、英語を流暢に話す。多様性の重要性も深く理解している様子でした。それで、彼らの悩みは「国民の意識がまだそこまで行っていない」ということでした。
日本と全く逆なんです。日本は女性たちの意識も技術も上がっていますが、経営層の年齢が高く、多様性とは遠いところにあります。
- 川本
2大政党制も日本だけない。台湾も韓国も政権選択を過去にしています。そういう意味では、我々のシステムはこの20年ぐらい、本当に止まっていますよね。
- 佐々木
なぜ止まったんでしょう?
- 川本
何とか持っちゃった、ということですかね。だからこの20年で国の借金がこんなに増えちゃっている。もう信じられない増え方です。うまくいっていなかったのに、小泉さんが出て、自民党が続いてしまった、ということもありました。自民党のマニフェストで、「モデルチェンジをする」と書いてあった。モデルチェンジというのは、自動車でもそうだけれど、前の型を新しくする話。自動車をバイクにするとか、飛行機にするとか、徒歩にするという変化ではない。なので、これはやっぱり違う、と。
10/20
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