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川本裕子さん
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規制改革は、消費者の夢を高めるもの
- 川本
もちろん、経済政策の中で、最低賃金の引き上げとか、製造業派遣を禁止するとか、民主党がマニフェストで言っている政策に心配なものがたくさんあります。もし最低賃金をあげると、人件費を増やす余裕がない企業は雇用を減らしてしまうかもしれない、海外へ移転してしまうかもしれない、ということです。経済の元は、企業が自由に活動して、消費者がいろんな商品とかサービスを選ぶことから生まれます。その可能性を広げるのは規制改革ですよね。
「規制改革」と言うと、供給者側の得になる発想だという誤解がたくさんあるのだけれど、規制改革は、消費者のニーズを満たす製品やサービスを増やすということです。
- 佐々木
規制改革は、消費者の選択肢を増やすし、消費者のパワーを増す、ということですよね。
- 川本
佐々木さんは規制改革会議の委員でしたよね。
- 佐々木
ええ、あのときの規制改革会議でも、たとえば「株式会社で学校や病院を作れるようにする」というアイディアに反対する人は「株式会社が運営すると、営利目的なので悪事を働きます。儲けてばかりいます」というような主張になる。民が運営すると悪で、官(公)が運営すると善、というまったく根拠のない非生産的な会話もありました。
- 川本
体験が少ないし、想像力も十分でないので、分からないのでしょうか。たとえば建築基準法の話などは、あれは民間検査機関の活用を認めたこと自体が悪いのではなくて、民間機関をチェックする体制を整備しなかった役所がいけないわけです。国が規制をする場合にその遵守状況をチェックするにはコストがかかるのは当然です。役所だけがチェックするより民間機関も活用した方が費用対効果もいいはずです。どのくらいコストをかければ、消費者被害を適切に防げるのか、よいバランスになるのかを考えることが一番大事なことですよね。
- 佐々木
聞いていると、様々な人が成長しなきゃいけないわけなんだけれども、このウィンウィン対談を読んでいる人達から、始めたいですね。消費者・国民が今まで以上にパワーを持ったということが、今回の選挙でも分かったわけだから、このパワーを、成功するために使ったほうがいい。
選んだ後に突然、全員が評論家になって、あいつが悪い、こいつが悪いと批判をしない。自分達が変わる。せっかく自分が選んだこの選択が正しかったということを証明するために、松下幸之助じゃないけど、「成功するまでやり続ける」。「よかった」となるように、私達一人ひとりが、失敗は優しく受け止め、提案するときは厳しく提案し、よりよい日本に導いていく。それも国民の使命ですね。
- 川本
突然、評論家に転じるのではなくて、というのは、本当にそうなのよね。協力していく、ということですよね。そもそも、自分達が選んだ人達なわけだから。いい例かどうか分からないけれども、社長さんが変わった、社員は、そのお手並み拝見と高みの見物というわけではないでしょう。もちろん「王様は裸だ」とならないように、国民は常に健全な批判精神をもってです。
- 佐々木
そうですよね。「さあ、やってみろ」じゃなくて「一緒にやりましょう」ということを、今日から忘れずに、毎日こちら側もやらなきゃいけないということを、私たち一人ひとりがすごく認識しなきゃいけないですね。
- 川本
これまで、政治の現場が国民からすごく遠かったので、国民にとっては当事者意識が薄く、ひとごとという感じの場面が多かった。あるいは困った時の駆け込む場所みたいで、それが既得権益につながっていた。族議員がいるのは、利益をめあてにする「族」が国民のなかにもいるからだともいえる。規制改革は常に一般国民、消費者の側に立って「族」と戦うプロセスのはずです。
- 佐々木
ブラックボックスを沢山見つけて、開いてほしいと思います。
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