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リシャール・コラスさん
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世の中にないものを「自分で」作る
- コラス
たとえばシャネルN°5もそう。それまで香水といえば単一の花の香りしかなかったところを、それでは彼女は満足できなかった。そこで当時では考えられない貴重な原料や複雑なプロセスを経て自分が欲しかった香り、『女性そのものの香りがする女性のための香り』を作り上げた。彼女は意識して戦略的にやったというよりは、自分自身がほしいものをつくる。世の中にないものを「自分で」作るんですね。
- 佐々木
パッションなんですね。
- コラス
そうですね。自分自身はスポーツをしたい、ただ女性のためのスポーツの洋服がないから、じゃあ自分で作る。彼女は20年代にゴルフをやっていたんですよ。当時ゴルフをやる女性はほとんどいないです。
- 佐々木
いないですよね。ゴルフ場はアメリカだって女人禁制ですしね。
- コラス
男ばかりですよね。
- 佐々木
喪服であった黒を洋服に使ったのもシャネルですよね。
- コラス
そうですね。黒という色は、昔は奥さんとかご両親とか家族が亡くなったときに、1年間の喪に服すために着られていた色。それ以外はあまり使われていなかった色なんです。
それを彼女は黒というのが一番着る人の個性を表す色だと言って、それを普段のものにした。そして体を自由に動かせる、膝丈のリトルブラックドレスを作った。黒というのが彼女にとっては最も重要な色だったんです。
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