ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第134回 ニヤンタ・デシュパンデさん

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ビジネス コンサルタント、レキシコン アソシエーツ 代表、カクタス・ジャパン顧問
ニヤンタ・デシュパンデさん
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世の中に通用するために大事なことは3つある
- ニヤンタ
世の中に通用するために大事なことは3つあると思っています。1つはエクセレンスです。世界の人は誰でもエクセレンスに対しては認めます。エクセレンスというのは品質です。もう1つはコンピタンスですね。実力。実力をつけて、やることが常にエクセレンスである、ということが大事なんです。3つ目はエクスプレッションです。表現ですね。表現の媒体、メディアは何でもいいんです。世界中の人に、一人前として、コンピタンス、エクセレンス、だと認められるためのメディアは何でもいいんです。たとえば、映画でもいい。
たとえば、辻井伸行さんが国際ピアノコンクールで優勝しましたよね。世界的なピアニストになりたい、だから世界の人に認めてもらいたい、No.1になりたい、ということでしょの結果だと思うんです。音楽そのものが、彼の表現なんです。エクスプレッションの手段です。
世の中に私たちがアピールするための表現力として、言語はとても大事になってきています。その中で、言語としては、英語がもう世界の言葉になってしまっているわけですから、苦手でも、やはりそれは自分の武器にしないと、エクスプレッションがお粗末になります。
- 佐々木
今、コミュニケーションとは仰らないで、エクスプレッションという言葉をつかわれるところが、私はすごく面白いなあ、いいなあ、と思って聞いていました。コミュニケーションという言葉が、私は以前から、あまり好きじゃないんです。「何でだろう?」と思っていたんですけれども、今、聞いていて、エクスプレッションのほうが、私の好きなニュアンスにずっと近い、とわかりました。
私はここ何年か、「セダクティブであれ」と皆に言っているんですね。それはコミュニケーションという言葉に私が感じる無機質な感じ、温かくない空気を超えたいと願ったからなんです。コミュニケーションは、common、つまり共通、共有という言葉から誕生していますから、本当は無機質であってはならないんだけれども、何か、味気ないんです。
私がセダクティブと言っているのは、たぶんエクスプレッションも含むんです。もう少しその人のハートが伝わり、体温が感じられる、そういった、その人らしい表現がエクスプレッションですよね? そういうものがうまくできたときに、その人が魅力的で、人がチャーミングだと思う……。要するにそれは、一緒に仕事をしたいとか、この人から学びたいとか、近くにいたいとか、もっと話していたい、というふうになるんだろうな、と思っています。まさにそういうことですよね?
- ニヤンタ
そうです。だからエフェクティブ・コミュニケーションです。セダクティブというのも、なかなかいい表現だと思います。やはりコミュニケーションというのは、非常にジェネリックな言葉で、私もあまり好きではなかった理由は、それではあまりよくイメージが湧かないんですよ。エフェクティブ・コミュニケーションとは何かというと、それこそ口説くときのセダクティブなコミュニケーションを身につける必要もあれば、やはり、それは説得力、交渉力、演説力などですね。
- 佐々木
そう。私が言うところのセダクティブは、自分の情熱が伝わる表現ということですね。つまり、自分の仕事の品質が高くてエクセレンス、実力がしっかりあってコンピタンス、そしてその仕事ぶりを周囲に表現できるエクスプレッション、ということですね。
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