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山田昌弘さん
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じゃあ、一番リスクの少ないところは
- 佐々木
すみません、私は多分、まったく頭がついていっていないと思います。その女の子の発言は「専業主婦でいることは、リスクがない」ということですか?
- 山田
そうですね。
- 佐々木
私からすると、自分で稼がないという道を選ぶことほどリスクの大きな生き方はないと思うんですけど。
- 山田
専業主婦になった時点で、高収入の男性をつかまえているということが前提なわけですよ。
- 佐々木
でも、たとえ結婚したときに高収入でも、その人の仕事は明日なくなるかもしれないし、その人が明日いなくなるかもしれないし…… とは考えないのですか。先生の授業でそこを教えないと。
- 山田
そこを教えているつもりなんですけど。「収入の高い男性と結婚すれば、離婚して多額の慰謝料をもらっていい生活している人がいる」、と。
- 佐々木
そこまで考えているんですか。慰謝料まで。
- 山田
考えているみたいですよ。そういう人も出てきた。
- 佐々木
それはどうしたことなんでしょうか。私から見ると受け身な生き方に見えますが。
- 山田
そうですよね。私も希望格差社会では、これからは、どういう選択肢を取ってもリスクが高まる時代だから、自分の能力をつけて稼げるようにしておけ、というふうにいつも説いているわけですよ。でもそうすると必ず、じゃあ、一番リスクの少ないところはどこかなと見て、そっちに抜けようとする人が出てくるんですよ。
- 佐々木
でもやっぱり、リスクは高いと思うんです。専業主婦の方も読まれるので誤解のないように申し上げれば、専業主婦の方も立派だと思います。自分自身が選び、楽しみ、その選択で毎日を前進させていらっしゃるのですから、そのような選択は尊重されるべきです。ですから、もちろん全員に働けとは言いません。ただ大学生が、自分が働かずに1割の高収入男性と結婚することが一番リスクが少ないと思って選ぶという考え方には何か、間違いがあるように思うんです。違う理由で選ぶならいいのでしょうが。
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