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織作 峰子さん
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自分が撮るということは、自分自身が写るということ
- 佐々木
カメラは今、何台持っていらっしゃるんですか? カメラ会社からも使ってほしいと送ってくることもあるでしょう。やっぱり違いますか? 撮り心地が。
- 織作
常に新しいカメラが来ています。でも、一緒でしょう。微妙にちょっと違うだけで、それはもう、やっぱり何を狙うか、ということが一番の真髄だから、どう写っているか、なんていうのは、大差はないと思います。
この作品みたいに、5メートルに伸ばすとか、そういう話になると、いろんな意味でのクオリティーが要求されるから、これは大型カメラで撮っているのです。普通の一般的なものは、大差はないと思います。それよりも撮る姿勢のほうが、ずっと大事だと思うので、何枚撮っているとか、どういうカメラで、というのは、二の次と思います。
- 佐々木
今、大学生に写真を教えるときに、どんなふうにおしえていらっしゃるのですか。
- 織作
私、担当が3回生と4回生のゼミコースなんです。これだけデジタルが普及しているのに、大学生って、不思議なんですけれど、アナログも結構多いんですよ。昔のカメラを持ってきている子もいます。やっぱり、おしゃれじゃないですか、昔のものって。
- 佐々木
ちょっとレトロな感じで。
- 織作
でしょ? そういう、形から入る部分もあるのですが、フィルムカメラを使う生徒も多いんです。だから、プリントして、自分で焼くという、作業に面白さを見つけている子が、大学生には多いですね。スタイルにもすごく影響されやすい。流行りにも敏感。
だから、一人だけ、スポーツ写真を撮っている子がいると、その子が良い意味で目立つわけです。
- 佐々木
結局、写真は、本当にその人が出るから、写真の技術を磨くだけではなくて、その人が、人を好きになったり、何かに悲しんだり、喜んだり、怒ったり、ということを、どれだけするかっていうものが大切なんですね。それこそ花一輪撮っても、仰るように、ただ構図がよければいい、というものでもないですものね。
- 織作
やっぱり、労りとか、意思の疎通をして撮ったものっていうのは、植物もちゃんと何か反応してくれるし、自分と、たとえば植物の距離感というのも、その感情によって、見つけだしてもらえたりするわけね。
だから、物一つに対して心を込めるということは、すごく大事なことだと思います。その心のありようっていうのは、人それぞれ違って当然で、激しいのが好きな人もいれば、優しいことが好きな人もいる。それは当然違っていいし、人それぞれ、撮った作品の味わいというか、表現の仕方が変わってくるので、いいのですが、自分が撮るということは、自分自身が写るということだから、そのときの自分の感情とか気持ちの入れようとか、大事に撮っていかなければいけないですよね。
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