ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第121回 田澤 由利さん

121 |
田澤 由利さん
|
|
|
私と結婚してくれる人は
- 佐々木
とんでもない。でも、そこを結局辞めなきゃならなくなったっていうのは、ご主人の転勤だったんですか?
- 田澤
そうですね。夫と出会ったのは、大学時代なんですよ。で、こう言っては何ですが、シャープの方といいご縁があったら、私はこういう人生を歩まなかったかも、と思うぐらい、私はシャープでの仕事が大好きで、パソコンの商品企画をやらせてもらえることが何より幸せで、本当に朝から晩までよく働いたな、と自分でも思うぐらい、一生懸命やっていたんですね。
ところが、なかなか結婚相手という意味では、たまたまシャープにはいなかったんです。シャープにも多かったんですけどね、素敵な独身男性。
- 佐々木
どうしたんでしょうね。
- 田澤
どうも私の魅力不足で……。で、結局、大学からのつきあいの、今の夫と結婚しようということになったんですが、生命保険会社勤務だったんです。ご存じのように、生命保険会社の社員さんというのは、全国各地、津々浦々、どんどん次々と転勤を繰り返すので、この人と結婚したら、自分はシャープにはずっと勤められないだろう、というのは明らかに分かっていました。
- 佐々木
じゃあ、どうせ奈良から出るなら、そこでマイクロソフトっていう手はなかったんですか? 「西さん、もう一度私を」じゃないけど、あり得たのでは?
- 田澤
そうか。そうですよね。でも、本当に、そこで結婚するなら今の仕事を続けられない、と考えたんですね。女性の私がどっちかを選ばなきゃいけない。当時は特に、男性が辞めるなんてことは、まず発想としてもない頃ですよね、20年前ですし。
で、どうしようかって悩んだ時に、私はシャープの仕事が大好きだけど、もしかしたら、別の形で、この仕事に関われる可能性もあるかもしれないし、絶対ここじゃなきゃダメだって思わなくても、思いさえあれば何とかできるかな、と思ったんです。
でも、結婚相手だけは、私の意志でなんともできない。私と結婚してくれる人は、もう現れないかもしれないと、思っちゃったんです。
- 佐々木
どうしてそう考えたんだろう。
- 田澤
シャープでご縁がなかった経験を踏まえて(笑)。一人娘だし、ここで途絶えさせるのは、まずいかな、みたいな。
7/25
|
 |

|
|