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藤村良典さん
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ジャズを聴く人たちが変わってきたということですね
- 佐々木
私、何も下調べしないで入ってしまった大学が、上智大学の比較文化学科なんですけど、四谷キャンパスでは授業料が年間30万なのに、市ヶ谷キャンパスは100万円以上かかることも分かって。藤村さんに「お前、年間いくら必要なんだ?」って言われて、私が「こんな授業料なんです」って言ったら、「そうか」って言って、バイトをいっぱいくださったんですよね。
ちょうど私が大学に行く頃、藤村さんのお仕事で、オーレックス・ジャズ・フェスティバルというのが始まって。毎年5月くらいから秋まで、事務局のお仕事いただいて。多分、それで、私は大学に通えたんですよ。プレイガイドの集計から、様々なマネジメントまで、いろいろ担当させていただいて、楽しかった。
- 藤村
そうだったよね。やっぱりさ、仕事って信頼関係の上に立ってるじゃない。で、かをりは、仕事に対して愛情も責任もあったし、全部ノウハウもわかってたから、事務局を任せてもだいじょうぶ、ってね。仕事もテキパキ速いしね。お金のことや、バンドの通訳の手配や、全国ツアーの移動とかね。いろいろやってもらったよね。
今はできないけど、オーレックス・ジャズ・フェスティバルって、最後は横浜スタジアムだったのね。東京では、武道館とかコンサートホールで、いろんなアーティストを単独でやって。今はありえないよね、ジャズコンサートっていうのは。
- 佐々木
あんな規模でってことですか?
- 藤村
うん。ブルーノートができちゃって、ジャズはお酒を飲みながら聞くっていうものになっちゃったから、そういう風にできなくなったのね、ジャズは。
- 佐々木
ジャズのカルチャーが変わったんですか?
- 藤村
カルチャーっていうか、ジャズを聴く人たちが変わってきたということですね。
うん。ブルーノートができてから、食事して1万2,000円とか、聞くだけでも6〜8,000円で、ワンドリンクつきで聞けちゃうわけじゃない? だから、我々がコンサートホールで、飲み物も何もつかなくて、二千席以上のキャパで6〜8,000円取ったら、入らないよね。目の前の距離で、おいしいワインを飲んで聞けるんだからさ。
- 佐々木
じゃあ、私は、あの時代だから大学に通えたんですね(笑)。
- 藤村
そうだね。オーレックス様々じゃない。
- 佐々木
はい。親の援助無しで大学に行くことができたのは、藤村さん。藤村さんにはすごくお世話になったと思っています。そうそう、アメリカに留学したときもそうでした。
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