ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第108回 宮嶋泰子さん

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宮嶋泰子さん
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「皆と同じでなくていい」って所ですね
- 佐々木
私は、黒を選んだのを、今でも覚えています。勉強机も、一つも飾りがついていない、地味な、ただ引き出しがついている、木の机。
- 宮嶋
それは、自分の時に?
- 佐々木
はい。自分が小学校へ行く時ですから、幼稚園の時ですよね。親が「こっちの方がかわいいんじゃない? これが子ども向けよ」って言っているのに、地味な、木の、何もついていない机を、「どうしても、これがいい」って言って。ランドセルも黒がいいって言って。
- 宮嶋
自分で言ったの?
- 佐々木
そうです。変わった子だと思ったらしいけど、でも、お陰でその机は大学を卒業するまでずっと使ってたんですよ。
- 宮嶋
私もそう。私もそういう机でしたけど、大学を卒業するまで、結婚して家を出るまで使ってた(笑)。そう考えると、ランドセルが紺色っていうのは、見えない所で、私の性格をかなり形作ってくれたのかもしれないなって思いますね。「皆と同じでなくていい」って所ですね。オンリーワンっていう歌が流行った時、私、全然、ピンと来なかったの。「何でこんなものが流行るの? 当たり前じゃない」みたいな。
でも、皆がそれにようやく目覚め始めたということかしら。日本人って皆、右にならえというか、全員が同じでなきゃいけないという価値観の下で長い間、過ごしてきましたからね。だからその中で、自分が違っていていいんだよって主張する事って、すごく大変だし、エネルギーがいるんですよね。でも、ようやくそう時代になってきたのね。
- 佐々木
宮嶋さんのエネルギーはどこから来ているんですか?
- 宮嶋
たぶんDNAですかね。遠戚に変わった人がたくさんいるみたいです。突然「満州の馬賊になりたい」と行ってしまった人や当時の巴里に行ってしまって、その後、候文で手紙を書いてきたなんていう話も聞いたことがあります。祖父の兄弟で7回離婚した人もいるんですよ。明治生まれでそれはちょっと珍しいですよね。
- 佐々木
わあ、かっこいいなあ。7回離婚しているって事は、だって、少なくとも7回結婚しているわけでしょ? 7回、女性を魅了した……。
- 宮嶋
そう。おじいちゃんの弟。それで、「やっぱり最後のお嫁さんが一番素敵だった」って皆が言ってるとかね(笑)。理想を求めているのかもしれない。だから、エネルギッシュなのはDNAかもしれません。
今、ふっと気づいたんですけれど、さっきの大家族の話なんですけど、たくさんの人がいて、ご飯を食べて、それはとても楽しい事で、、だから一人でいる時間ってすごく有意義だし、嬉しいでしょ? 皆といるから、一人でいる時間が楽しいっていうのを感じられたりするんですよね。そういう、ある事があるから、ある事の反対の価値が重要だということはたぶん大家族から教えられたんでしょうね。で、多様な価値がそれぞれあって、ワイワイガヤガヤ。で、一人ひとり、すごく面白くて。やっぱり私の根は、大家族にあるのかもしれませんね。
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