ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第104回 張 晞さん

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張 晞さん
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お父さんは、ナンバーワン
- 佐々木
張さんご自身のことをお伺いしたいんですけど、ご出身は?
- 張
私、南京(なんきん)です。
- 佐々木
どういう家庭でお育ちになったんですか?
- 張
母親は軍の医者だったんですけれども、父は、共産党の幹部……。
- 佐々木
すごい。すごく地位の高い家庭だったんですね。
- 張
そうですね。今、テレビで毎日、北朝鮮の社会とか映っていますが、私の子どものときとそっくりです。日本のテレビなんか、「今の北朝鮮の社会が分からない。すごく不思議」とか。でも私から見れば、全部自分が体験したものですから、全然何も……。北朝鮮は20年前の中国と全く同じですよね。一部の特権階級の人は、本当に恵まれて裕福な生活をしている。
- 佐々木
ぜいたくなものを食べて、健康で、海外旅行にまで行って。
- 張
そうなんです。そのままなんです。だから、私の子ども時代は、当然、思想の自由はないです。でも、思想の自由といったって、外の情報がなければ、それも分からないですよね。だけど、生活の面はすごく……。
- 佐々木
豊かだったんですね。
- 張
そうですね。
- 佐々木
どのぐらい豊かだったんですか? 守られている立場の人たちは。
- 張
家は、普通の人よりは、ずっと大きいです。まず、運転手さんがいて、お手伝いさんがいて、母が、漢方もできる内科医。父は1つの軍の基地のトップ。
- 佐々木
基地?
- 張
軍事の基地。工場みたいな、秘密基地みたいなもののトップだったんです。
- 佐々木
すごい。
- 張
だから、そのときのナンバーワンなので、どのぐらいの広さか分からないけど、何万人もの基地のトップなんです。その周りの農民とか、周りの住民はすべて、その基地のために働く。そのトップの娘なので。だから、ちょっと言い方が変なんですけど、世間知らずなんですよ。全く分からない。
その基地には保育園から大学まであるんですよ。母はその基地の中の病院で働いて。お父さんはナンバーワン。で、私は娘。
- 佐々木
一人っ子ですか?
- 張
いいえ、3人姉妹で、私は2番目なんですけれども。
- 佐々木
その頃は、一人っ子政策前で、兄弟がいたんですね。
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