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Darcy Neillさん
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ヨルダン初の女性のカントリー・ディレクターになったわけです
- ニール
私が、ヨルダンに行ったのは、ニューヨークでの9.11があった直後でした。そのとき私は香港にいました。夜の9時にヨルダンに行くために荷物をまとめている時、たまたまつけたテレビに映っていたのが、国際貿易センタービルに最初の飛行機が飛込む映像でした。はじめは何が起ったのか、全く分りませんでしたが、2機目がタワーに突っ込んでいき、様子がわかってくると、周囲に「まさか、ヨルダン行きを決行するわけじゃないですよね」「今、中東へは行かないわよね」といわれました。
でも私は、「もちろん行きます」と答えました。アメリカとヨルダンが相互理解を深めるのに、これ以上の機会はないと考えたからです。なぜこのようなことがおきたのか、テロの目的と意味はなにかを知る絶好の機会だとも言いました。もちろん、そんなに簡単なことではありません。アメリカ人がアラブ諸国に赴任するには最悪のタイミングでした。
しかし、私個人に対しては、ヨルダン人はとても親切で、温かくもてなしてくれました。ヨルダン初の女性のカントリー・ディレクターになったわけです。モロッコでも女性初のカントリー・ディレクターでした。モロッコでは35年間も平和部隊があって、女性ディレクターは一人もいなかったのです。これも、チャレンジでした。
でも面白いのは、初めてあったヨルダンの大臣には、「こんにちは、平和部隊の新任カントリー・ディレクターの奥さまですね!」と声を掛けられたりしました。「いいえ、私が新任カントリー・ディレクターです」と答えました(笑)。すると大臣は続けて、「ヨルダンはきっと気に入りますよ。ショッピングも充実していますからね!」と言いました(笑)。「私は買い物に来たのではなく、仕事をするために赴任してきたんですよ」と答えました。
しかし別の大臣は「平和部隊が女性ディレクターを派遣してくれて、大変嬉しいことだ。本当に、大きな進歩を遂げてくださっています」と話されました。それで、私は「いえ、本当に、進歩した暁には、私たちの存在を皆さんが気づかなくなるのです」と答えました。ニュースにならなくなる、ということです。そうでしょう? ヨルダンでの女性の社会進出がそうです。大勢の女性たちが活躍しています。女王もいます。女性はとても目立つポジションにいるのです。
- 佐々木
いつもそう言っていましたね。自立をサポートして、本当に相手が自立したときには、サポートしたこちらに注目が集まらなくなる、ということだと。そこを目指して仕事をする、という姿勢は、よく覚えています。
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