ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第101回 渋谷 和宏さん

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渋谷 和宏さん
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ものづくりの職人的な資質も必要とされる仕事なんです
- 渋谷
今からすると、祖父の影響が大きかったように思いますね。祖父は宮大工の棟梁で、寺社仏閣を作る職人だったんです。その世界ではけっこう有名で、最盛期には弟子もかなりの人数がいたと記憶しています。加えて彫刻や絵がうまくて、とにかく職人的な、アルティザンとしての才能に恵まれた人でした。性格も几帳面で、鑿(のみ)とか鉋(かんな)とかの商売道具を本当に大事にしていて……。
そんな祖父を見て育ったことが、今の仕事に就く原点だったのかもしれないな、と思うことが時々ありますね。というのも編集長って、一面ではリーダーシップやコミュニケーション能力が大きく問われますが、もう一面では、モノづくりの職人的な資質や能力も必要とされるんです。例えば表紙をどのように作り込んでいくかなどは、まさにモノづくりの資質が問われます。
さらにページ構成……巻頭に特集をもってきて読者の気持ちをわしつかみにして、真ん中あたりにビジュアル中心の綺麗なコラムを並べて読者をほっとさせ、終盤にリポート記事を並べてじっくり読ませる……なんていうページ構成にしても、職人的なこだわりが必要です。これを丁寧にやっているかどうかで雑誌の品格や風合いが変わってきますから。
- 佐々木
記者としてスタートした渋谷さんが、別冊を作られたことがきっかけとなって、アソシエの編集長になられた。それは、書きたいと思う以上に、プロデュースする人の側に、いつからか興味を持つようになったということですね。
20/27
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