ホーム> career & management > 国境を越えた足跡> 第4回 カオリ・ナラ・ターナーさん


第4回 カオリ・ナラ・ターナーさん
3/12 
結婚なんてしてみないとわからない |
進藤 |
ダンスのお勉強のために滞在されたニューヨークには結局何年いらしたんですか? |
カオリ |
一年。もうお金がスッカラカンになって。その前にラスベガスで働いてレッスン代を貯めたんだけど、それ全部使い切ってしまいました。
日本に着いて、兄が迎えに来て「お兄ちゃん、タクシー代ある?」って聞いたら、「お前一年間何してたの」って(笑)。
今みたいに、誰でもお金持ったらいける時代からすれば想像外でしょうけど、アメリカに入れたこと自体がもう幸福。だから、入ったら絶対出まい、という感覚でしたね。
だけど、一年間ニューヨークで勉強したら、「もうわかった」と。で、日本に帰ってきたら、今度はね、結局アメリカのラスベガスで一年間踊ったから、アメリカのリズムになじんでしまってたの。それで日本のリズムだと踊れなくなっちゃったんですよ。 |
進藤 |
せっかく苦労して本場のダンスを学んだのに! 日本流のテンポにあわせて踊らなくてはいけなかったんですね。 |
カオリ |
そうなんですよ。 |
進藤 |
それ、「これがホンモノだっ!」ってアピールしても、受け入れられなかったでしょうか。
|
カオリ |
受け入れられないっていうより、そもそも音やリズムが違うから自分が踊れないもの。それでガクっと来ちゃって。その後、アンバサダー・ホテルと契約して、香港に公演に行ったときに、主人たちの撮影隊と出会ったんです。 |
進藤 |
きましたきましたっ。運命の出会い……(笑)。公演は長期間だったんですか? |
カオリ |
1ヶ月。台湾で1ヶ月踊って、香港に来て、そのあとロサンゼルスへ、というときに主人と会って結婚しちゃったから。 |
進藤 |
その1ヶ月のあいだに……。 |
カオリ |
滞在2週間目に結婚申し込まれたの。 |
進藤 |
んー。まさにスピード婚! |
カオリ |
で、1週間断ったでしょ。4週間目にOKしたんです。 |
進藤 |
短期間でOKされた理由はなんだったんですか? |
カオリ |
どうせ考えたってしようがないじゃない、って(笑)。 |
進藤 |
ひゃーっ、面白い! おとこまえですねぇ(笑)。 |
カオリ |
だって、いくら考えたって、結婚なんてしてみないとわからないところがあるじゃない。イヤだったら出てっちゃえばいいんだし。 |
進藤 |
ご結婚されたのが……。 |
カオリ |
31歳。 |
進藤 |
ありゃ。まさに私の今年だ! 考えたってしようがないのか……。 |
カオリ |
何年間も恋愛した末、結婚して1ヶ月で別れる人もいれば、私みたいに1ヶ月で結婚しちゃって、25周年やる人もいる。なんだってやってみなきゃわかんない。とくに結婚なんかそうじゃないですか。 |
進藤 |
結婚後も踊りを続けていらしたんですよね。 |
カオリ |
ええ、主人と約束してもらって。それ以外にも、掃除はキライ、料理はできない…… |
進藤 |
ふふふ(笑)。で、ご主人の反応は? |
カオリ |
向こうはプロポーズしたばかりでカッカしてるんですから、なんでもイエスですよ(笑)。そのとき言われたのが、「僕はメイドと結婚するわけじゃないんだよ。君と結婚するんだよ」って。 |
進藤 |
ステキ! 世の男性方、いまのセリフ、よぉーく頭にインプットしてくださいよぉー(笑)! |
カオリ |
最初にできないこと全部言ったから、朝起きて卵焼いたら「できるじゃない!」って。そのぐらいできるわよ(笑)。 |
進藤 |
たしかに(笑)。最初にあまり期待させないようにしておけば、評価は上がるばかりですものね(笑)。 |
|
3/12 
|