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FPに相談 (パフィンドーナッツ・埼玉県・パートナー有・40歳) |
保険加入時、FPの方に内容を確認して頂き加入しています。自分のニーズと他の保険との重複を確認して、無駄のない保険加入をするようにしています。自分だけだと見落としがちですが、専門家に見て頂くとすぐにわかるようです。 |
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労災のこと (コギ・リン・大分県・32歳) |
身内が自営業で、労災に入っていなかったので、自分の保険の補償を多めにつけていたのですが、最近労災に入るようになったとのこと、自分の保険のほうを見直さなくてはいけない、と思いつつ、まだできていないようです。正直、素人だけでは、わかりにくいことが沢山です。 |
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公的保証の中身がわからない (dokinchn・東京都・パートナー無・39歳) |
公的保証ってよくわかっていません。自分ははいっているのかどうか? 私的保証は説明書きを読んだり勧誘員に詳しく説明を聞くことができますが、公的保証って何で調べればいんでしょうか。自分が何にはいっているかさえもわからない状態です。 |
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3日目の円卓会議の議論は... |
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保険の重複でまずチェックしたいのは、公的保障と私的保障の重複です。国民皆保険といわれる日本では、原則として国民すべてが公的年金と公的医療保険に加入しています。ほかにも労災保険、雇用保険などさまざまな公的保障がありますが、今回の会議では公的年金と公的医療保険を中心にお話し合いをしてみましょう。
<公的保障> <主な私的保障>
死亡保障 公的年金の遺族年金 生命保険の死亡保険金など
後遺障害の保障 公的年金の障害年金 損害保険の傷害保険金など
医療保障 公的医療保険 私的医療保険、傷害保険など
老後保障 公的年金の老齢年金 個人保険、貯蓄など
公的年金の基本的な保障は老後の年金です。現在の制度では65歳から老齢年金が支給されますが、これはもう皆さんよくご存知ですよね。意外と知られていないのは、公的年金には遺族保障と後遺障害の保障もあること。遺族年金と障害年金です。昨日お知らせした社会保険庁のHPを開いてみましょう。(http://www.sia.go.jp/)
■公的年金: 障害年金
「社会保険制度」>「年金保険」>「4.年金の給付」と順に開いていくと、「障害年金」と「遺族年金」の項目がありますね。まず「障害年金」を読んでみましょう。障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」がありますが、「基礎年金」というのは国民年金から支払われる年金のこと。厚生年金に加入している人は自動的に国民年金にも加入していますから、基礎年金は原則として国民すべてに支払われます。厚生年金の加入者には、障害基礎年金に上乗する形で障害厚生年金も支払われるわけです。
さらに右下にある「→具体的な仕組みへ」をクリックすると、支給要件や認定条件、年金額などが書かれています。障害基礎年金の平成21年度の年金額は1級後遺障害が990,125円、2級後遺障害が792,100円。子どもがいる人には、これにプラスして子どもの分も支払われます。第1子・第2子は各227,900円、第3子以降は各75,900円。たとえば子どもが3人いる人が2級後遺障害になった場合、年金額は792,100円+227,900円+227,900円+75,900円=1,323,800円です。
子どもの年金の受給対象となるのは、「18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子」。ややこしい表現ですが、これは「18歳になった年の年度末まで」という意味です。国の会計年度は4月1日から3月31日までなので、たとえば今年の10月に18歳になった子であれば、来年の3月31日までは対象となります。つまり、子どもが高校を卒業するまでは支給されるわけ。さきほどの例でいえば、第1子が高校を卒業した時点で年金額は1,095,900円になり、第2子が卒業すると808.000円になり、第3子卒業後は本人分の792,100円だけになります。本人分は後遺障害状態が続く限り一生涯にわたって支払われます。
なお、後遺障害の認定基準は、一般的に私的保険より公的年金のほうがゆるやかです。私も病気のために視力が衰えて両目の矯正視力の和が0.04になったことがありますが、この状態が続いていた場合、公的年金は1級後遺障害として認定され障害年金が支払われたはず。ところが私的保険の認定基準は「両目が完全に永久に視力を失ったとき」となっているため、たとえ0.04でも視力が残っていれば後遺障害保険金は支払われなかったでしょう。幸い私は視力を回復することができましたが、視力を失うかもしれないという恐怖におびえていた時期、公的年金のありがたさを身に沁みて感じました。
■公的年金: 遺族年金
次に遺族年金を見てみましょう。障害年金と同様に「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があり、「具体的な仕組みへ」のほうには年金額などが書かれています。【障害】基礎年金と【遺族】基礎年金の大きな違いは、障害基礎年金が本人に支払われるのに対して、遺族基礎年金は「亡くなった人に生計を維持されていた子」と「その子の母である妻」に支払われること。対象となる子どもの年齢は障害年金と同じです。
たとえば子どもが2人いる妻の場合、年金額は792,100円+227,900円+227,900円=1,247,900円。第1子が高校を卒業すると1,020,000円になり、第2子が高校を卒業した時点で遺族基礎年金は打ち切りになります。あくまでも「高校を卒業するまでの子のいる妻」のための年金ですので、子が高校を卒業したあとは妻の分もなくなってしまうのです。また、子のいない妻や、すでに子が高校を卒業している妻には、最初から遺族基礎年金は支払われません。さらに生計を維持していたのが妻であった場合も、夫には遺族基礎年金は支払われません。このあたりは遺族基礎年金の問題点として今後の検討が待たれますね。
遺族厚生年金は、厚生年金に加入している人が死亡したとき、遺族基礎年金に上乗せされる形で支払われます。また、「その人によって生計を維持されていた遺族(妻、子、父母など)」の分もあり、この部分は遺族基礎年金が打ち切られたあとも支給されます。
以上のように公的年金には後遺障害の保障や遺族保障があり、基礎年金は年金額が決まっているのですが、厚生年金のほうは標準報酬月額などによって年金額が違うため、ここで年金額の計算をご説明するには無理があります。会社の担当課や管轄の社会保険事務所などに年金手帳を持参して相談し、年金額を計算してもらうとよいでしょう。
後遺障害の保障は、私的保険では損害保険会社の「傷害保険」や生命保険会社の「傷害特約」などで準備します。遺族保障は、私的保険では生命保険や生命共済の死亡保険金で準備します。私的保険に加入する前に、これだけの公的保障があることを知り、その上で保障額を決めれば重複は避けられますね。明日は公的医療保険と私的医療保険(医療特約)の重複についてお話したいと思います。
ところで皆さんは、ご自分が加入している公的保険の種類や保障内容を把握していらっしゃるでしょうか? 会社に勤務している方には、さらに企業や労働組合の保障もあります。そうした保障について、ある程度は確認した上で私的保険の保障額を決めている方、確認せずに私的保険の保障額を決めている方、さらに私的保険の重複にも気づかずにいる方など、いろいろあると思います。ざっくばらんなご意見をお待ちしています。保障額によって保険料は大幅に変わってきますので、これを機会にぜひ考えてみてくださいね。
小野瑛子 家計の見直し相談センター |
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