「貴方の理想の職場・仕事とは?」という問いかけに対して、多くの回答ありがとうございます。皆さんの投稿を見ると、職場の特徴を、信頼、チームワーク、メンバーなどのソフトな側面と、時間や給料などハードな側面の両方で考えているようです。特に女性の仕事や職場にとっては、家族など周囲の状況が制約条件になることが多いので、ハードな側面はとても重要だと感じました。仕事は好きでも時間的に育児と両立できないというのは現実だと思います。
また、能力が発揮できる、いろいろな機会が与えられることなどが理想の職場や仕事の特色として重要というご意見がいくつかありました。こうした特色は、自分のキャリアや人生の目標と照らし合わせて考えることになると思います。いただいた投稿にもあるように、自分の目標を決め、それに近づけるかという基準で職場や仕事を考えてみるわけです。でも、目標自体も仕事をする中で変わっていきますし、時代環境によっても変わっていくと思います。そこで大切なのは、自分が主役、理想は自分がつくるもの、途中で変わることもある、一直線にいけなくても常に目指していればいろいろな経験や仕事が役に立つことを心に留めておくことではないでしょうか。そうした経験や機会を与えられる職場や仕事ならば、特に転職する必要はないですし、一方、どう考えても目標と全く違う方向にしかいけなさそうということが分かったら、転職や新しいことを学ぶなど、方向転換を考えたら良いのではないか、と思います。
しかし、目標をあまり窮屈に考えてしまうと、能力が足りない、景気が悪くなった、家族の状況が変わったなどということで、挫折してしまいます。そこで、時間を少し長めにとって、直線距離ではないけれど、「目指す方向と違ってはいなければ良い」と考えることも必要だと思います。 また、転職をして違う経験をする、退社して家庭のことに専念する、など「場」や活動を変えると、今までと違う景色が見えてきます。なぜこうなのか? と考える機会が与えられるわけです。
疑問や問題意識をどれだけ持ち、それを大事にして学び、考えるかがとても重要なので、場を変える、行動を変える、つきあう相手を変えるなど、いずれもとても貴重だと思います。 そこで、最後の問いかけです。「行動してみて(あるいはしないで)何が変わりましたか」を教えてください。多くの投稿をお待ちしています。
石倉洋子 一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 教授 |
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