ホーム > クルマ@ > 変革の旗手たち> 中島敬氏


僕たちはデザインを開始すると2つのチームに分かれて、それぞれ違ったデザインのクルマを作っていくんです。両方とも僕が見ているんですが、違うチームで。
で、初めてゴーンさんに見ていただくのが、「Go with this one(これで行こう)」といって、クルマの外観を一案に絞り込むフェーズなんですよね。このステージになると、粘土でできたフルサイズの模型なんですよ。でも、見た目はホンモノのクルマに見えるんです。そこで初めてゴーンさんに見ていただくんですよね。その後、一つに絞られた案で、設計の仕様を調整しながら決めて、イメージを固めていくんです。
さすがのゴーンさんも、いきなり見せられても、ということで、会議の直前にお一人でまず入られて2つのクルマを見られるんです。それで、プリゼンテーションを受けて、みんなの意見を聞いて、最終的に、ゴーンさんが「これにする」って決められるんです。大体1時間くらいでしょうか。決まったとき? ほっとしましたよ。でも一方で、一つのデザインチームはそこで終了するという複雑な気持ちもありました。
その後、マーケティング、コスト管理、営業目標など見ていきながら、「プロジェクト・コントラクト」といって、実際にメーカーさんに型作りに着手してもらうステージに進むんです。そうなったら、もう、作らざるを得ない(笑)。だからそこまで、毎日毎日、ずーっとコスト計算とのせめぎ合いでした。
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プロダクトチーフデザイナー 中島 敬氏
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