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すべての特殊法人が改革されるべきではない
「官」の部分の構造改革として、特殊法人の民営化があげられる。特殊法人というと利権・規制・癒着でグシャグシャになっているというイメージがあるが、はたしてそのすべての特殊法人を改革すべきなのだろうか?
すべての特殊法人を民営化するのはいかがなものか、と思います。住宅金融公庫は、日本人がみんな家を買えるようにとやっている。なにも非効率で4,400億円も赤字を出しているんじゃない。民間でできることは民間でやるんだ、と言うけど、民間は長期固定の住宅ローンなんか出しません。長期固定のリスクなんて国がとらなかったら誰もとらないのです。
住宅金融公庫がなくなると、変動金利でローンを借りた場合、ちょっと金利が変わっただけで、あっという間に返済額が増えてしまう。たとえば、4,000万円の資金を35年の変動金利2%で借りている人がいると、返済額は月間13万3千円です。それが5%に金利が上がると、それだけで返済額は20万2千円かな。7万円近く増えます。普通なら、月7万円の返済増を負担しきれない。
では、なぜ住宅金融公庫を廃止するかというと、本音は「一般市民は家なんか持つんじゃねえ」というメッセージなのではないでしょうか。仕方がないけど、お金がない時には家なんか持たないのが一番いい。ローンなんかやめたほうがいいということです。まあ、これじゃお金持ちの思うツボということなってしまいます。
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