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第14回(1) 2006/02/14
宗教の風刺はどこまで許されるのか
【 ギエムさん(東京都/会社員/49歳/女性)からのギモン】
イスラム教は現在世界のどれくらいの地域にまとまった数の信者がいるのですか?
欧州紙の風刺画を発端として世界各地で起きているイスラム教の抗議デモ(暴動?)
は一体どこまで広がる可能性があるのか知りたいです。
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デンマークの新聞が、イスラム教の預言者ムハンマドの諷刺画を掲載したことで、まるで「文明の対決」のような騒ぎになっています。この問題のいきさつと、イスラム教徒にとってムハンマドがどんな存在なのかを考えましょう。
きっかけはデンマークの新聞だった
2月4日、シリアの首都ダマスカスにあるデンマーク大使館とノルウェー大使館が放火されるなど、最近になって騒乱が広がっていますが、発端は、去年、2005年9月のことです。デンマークの大手新聞「ユランズ・ポステン」が、イスラム教の預言者ムハンマドの諷刺画12枚を掲載しました。
イスラム教では、ムハンマドの顔を描くことは「偶像崇拝」にあたるとして、堅く禁じられています。「それは表現の自由に反することではないか」と考えた新聞社が、「デンマークの言論の自由」を示そうと、12人の漫画家たちに依頼して諷刺画を掲載したのです。
このとき、デンマーク国内に住むイスラム教徒から抗議の声が上がりましたが、それほど大きな騒ぎになりませんでした。問題が広がったのは、デンマーク在住のイスラム教徒が、この諷刺画をイスラム諸国に送ってからです。この諷刺画の存在を知ったイスラム諸国の人々が去年の暮れになって抗議を始めると、それを知ったノルウェーの雑誌が諷刺画を転載したのです。「抗議行動は表現の自由に対する重大な挑戦だ」という判断からでした。
これが、さらにイスラム諸国の人々の怒りを買い、デンマークやノルウェーの大使館への抗議デモに発展し、これを阻止しようとした警官隊の発砲で、アフガニスンでは多くの死者が出るまでになってしまいました。
イスラム教徒にとってムハンマドとは
では、ムハンマドを風刺することが、どうしてイスラム教徒を怒らせることになるのでしょうか……
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