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価値観で取捨選択された情報の質を疑うこと
たくさんある性の情報の中から、有益なものを選び出すことは難しいことのように思われる。どんなふうに情報を選び取ればいいのだろうか。
10年くらい前から“Evidence-basedMedicine”(以下、EBM)というものが非常に盛んになりました。以前は比べられなかったこと、たとえば、子どもに優しくすることと叱ることとでは、どちらが有効なのかなどを比べられるようになったんです。いろいろな選択肢がある場合に、科学的なデータや根拠に基づいて比較することでより有効なほうを選ぶ。このEBMという考え方が大切です。
日本では、年輩の男性が、学会とか、教育とか、全部決めています。そういう人たちは、まず自分の価値観で情報を取捨選択します。性教育に関しても、WHOが打ち出している性教育に関する考え方や、EBMという考え方から、自分の価値観に合う情報だけを日本に入れているようなところがあるようです。10代の性教育などは世界的なスタンダードでいろいろな国が取り組んでいるのを見ると、考え方に隔たりがあります。
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